崔三更氏(韓国・光と塩教会牧師)が中心となって作成された韓国・大韓イエス教長老教会統合の異端似非対策委員会(以下、異端委)による報告書(第94回総会、09年9月)に手続き上の問題があったことが、同教団監査委員会の調査で明らかになった。
監査委は今月、報告書に異議を申し立てた統合教団の金チャンヨン氏(前・異端委委員長)と記録係の牧師から事情聴取を行い、報告書の作成過程に不備があることを確認した。調べによると、異端委が報告書の追加修正として提出した報告には本来調査の対象ではない新聞社が含まれていた。また、統合教団では、総会前の担当委員会が作成した報告書は、総会中に選出された次期委員会が内容を確認して承認した後、次期委員長と副委員長から総会に提出されて正式に議案として扱われる決まりになっている。だが、問題の報告書はこの手順通りに扱われないまま総会に提出されていた。韓国クリスチャントゥデイ紙電子版が22日報じた。
金氏は総会後の9月下旬、この報告書について、「本来必要とされる実行委員会の承認無しに異端委の報告書として処理されており、報告書は本質的に正当性を欠いている」と指摘していた。
さらに監査委は、崔氏が教団規則の定める委員の任期を越えて異端委に所属しており、異端委委員と同委記録係になる資格を有していないと指摘した。
監査委が異端委委員長と崔氏に事情を聞いたところ、2人は当初、報告書の作成過程に問題は無いと主張していた。しかし、報告書の提出までに必要な議事録等の書類を求めたところ、崔氏らは何ひとつ提出できず、結局、必要な手続きを行わなかったことを自ら認めた。
崔氏らに対する調査の結果、監査委は報告書と崔氏の委員選出過程の両方に問題があったことを確認し、崔氏に委員職を辞職するよう勧告する一方、調査結果を総会担当委員会に提出する方針を固めた。
監査委の報告を受けた総会担当委の関係者は、「異端委による報告書の撤回、そして報告書で異端または異端擁護団体とされた韓国クリスチャントゥデイ紙など当事者の被害をどう補償するか、最後に、不正な手続きを行った関係者の処分について今後早急に対応する必要がある」との考えを示している。
自分に対する異端認定や教団規則を覆すほどの実権をもつ崔氏に対し、教団側が監査委の報告を受け入れて処分を下すかどうかは未知数だ。だが、監査委の調査で崔氏に関する疑惑が明白となった以上、総会担当委がこれを無視して問題を風化させるには相当の負担があるとみられる。