英国に本拠を置くキリスト教系慈善団体「ビバ・ネットワーク」は、世界で特に貧困層が多い地域で子ども向けのクリスマスパーティーを展開している。
これまでアフリカやアジア、中南米の貧困地域に住む、健全な生活や身の安全が特に損なわれている子どもたちを対象に毎年クリスマスパーティーを開催してきた。パーティーには累計2万人ほどが参加。贈り物と食事を提供するほか、地域の団体と連携して継続的な生活支援を受けられるよう手続きの援助をする。
地域コミュニティに貢献できることから、キリスト教会の信徒グループと連携した例も多い。中南米支部主事のアルフレド・ロハス氏は「地域住民を巻き込んで子どもたちを効果的に支援できるよう助けるのがビバの役割」と話す。住民の関心が高く、華やかで温かい雰囲気で行えるクリスマスパーティーは、数ある年間行事のなかで最も子どもたちが集まり易く、実りも多いという。
クリスマスの中心にある価値観は神の愛。「大切にされ、愛されている」と子どもたちに実感してもらうことが何より大切だ、とロハス氏は語る。過去に協力した住民はその後も地元団体の活動に参加することが多く、1日限りのパーティーを機に社会的弱者を支援する風潮が地域に広がるケースがほとんどという。
日本では、商業主義による過激な性描写に日常的にさらされる子どもたちを守ろうと啓発セミナーを開催したことがある。経済格差の拡大が問題視されつつある日本でも、経済的、精神的貧困から子どもたちを守る活動のニーズが高まりそうだ。