若者が多く集まる教会、集会の特徴の一つとして、現代風の教会音楽「ワーシップソング」を取り入れている点がある。彼らにとっては伝統的な聖歌、賛美歌と比べて親しみ易く、自分の証しのように歌え、共鳴することができるからであろう。礼拝や集会では、スクリーンに映し出された歌詞を見て歌うことが多く、一緒に歌う一体感も感じ易い。
親しみやすい言葉とリズムで「神を賛美する」ことを共有できる喜びは大きい。ワーシップソングの大きな功績だと言える。
だが、刷新を強調するあまり、それまで教会を守ってきた牧師や役員たちとの間に軋轢が生じることも多いようだ。礼拝の伝統を守ることも重要だ。そこには一つ一つに意味があり、何よりもそれは信仰に基づいて継承されてきたものだ。それを「合わない」の一言ですべて片付けてしまってはいけない。
最も重要なのは、かたちにかかわらず、賛美と礼拝の先にある神の栄光と、信仰者同士の一致、未信者の救済であることは言うまでもない。
7月のプロテスタント150周年記念大会は、NCC系、福音派、聖霊派という3つの流れが協力してかたちで行われた。にぎやかな賛美にNCC系の人々は抵抗を感じた場面もあったと言う。一方、厳粛な一場面に聖霊派は何だか寂しいと、こちらも違和感を感じたようだ。しかし、大会運営者の一人は言う。「お互いの狭さがあったが、それが破られた」と。どちらが悪いと言うわけではない。互いに狭さがあるのだ。しかし、それらが「破られた」とき、賛美は初めて真に美しい響きとして主に届けられる。