知的創造論の運動開始を支援したバークレーカリフォルニア大学キリスト教法学名誉教授のフィリップ・E・ジョンソン氏が、今月米カンベル大学ノルマンエイドリアンウィギンス法律学校にて講演を行った。
米カンベル大学の発表によると、ジョンソン教授は「私はダーウィン進化論において多くのしまりのない結論を発見しました。そしてダーウィン進化論の結論がしまりのないものであると発見したとき、私は知的創造論を広めたいという押さえがたい欲求に駆られたのです。」と自らの思いを述べたという。
ジョンソン教授による進化論の綿密な調査によって一つの論文が仕上がり、この論文がジョンソン教授著作本「ダーウィン・オン・トライアル」および「知的創造論の動きが始まる」の草案となった。
知的創造論は生態学的見地から地球生態系はあまりに複雑であり、無秩序に進化してきたと考えるのではなく、なにかしら超越なる知性の働きによって生命が生まれ、生態系が発展してきたと考える理論である。この知的創造論は創造論とは異なる理論であり、創造論のように全てのものに創造主の働きがあるとは主張していない。
ジョンソン教授は、「我々は現在細胞組織はダーウィンが考えていた以上に複雑なものであることを知っています。細胞は細胞独自の化学機構、洗練された輸送システム、細胞修復機構を持っており、このようなさまざまの複雑性はときに果てしないもののように見える。そのようなことから私たちは生命はなにかしら超越なる知性によって生み出されたものであるという結論に至りました。」と自らの見解を述べた。
このダーウィン進化論に対立する理論は生命が進化してきた証拠はどこにでもあると主張する科学者にとっても挑戦となっている。例えばある種の植物の種子が異なる環境の地へ飛んで新たな種類の植物ができる、バクテリアが抗生物質に対抗できるように進化するなど、ある種内で進化論を説明するだけで、科学者は視野が狭くなっているのではないかという意見もある。視野を広く持てば、例えば大きな生態学的変遷に対する化石記録は未だに見つかってはいない。
しかしながら、知的創造論は創造論とは異なり、世界は6日間で創造されたとは主張していない。
ジョンソン教授は、
「創造論者は全ての科学者の反論に直面しています。私はこの創造論VS進化論の双方の考え方を近づけ、創造論を科学理論の領域に持って行こうとしました。科学者は知的創造論を無視することはできません。なぜなら科学者は常にあらゆる知性について調査しているからです。」と述べた。
知的創造論は世界中で議論を醸している。ある米国連邦裁判所では昨年12月に学校で進化論は事実ではなく、実際と矛盾する要素が含まれており、進化論に対立する理論として知的創造論があると教えることは違法であるという判決を下した。
ジョンソン教授はしかしながら、知的創造論が公立学校で教えられるべきか否かと言う問題には無関心である。
ジョンソン教授は、「私たちはダーウィン進化論を絶対的に信用できるものではないと主張したいのです。このダーウィン進化論は教育が宗教から分離するという面で多大な影響を与えました。というのも、進化論では創造主を無視するからです。私たちはもし進化論に疑問が投げかけられるようになれば、ダーウィン進化論が発見された当時の文化に大きな影響を与えたのと同様に、現代の世俗文化に大きな影響を与えることになると考えています。」と述べた。