建築家W・M・ヴォーリズが設計した清泉幼稚園(石川県金沢市、新谷裕美園長)の園舎から、解体工事に伴い、59年前の建築時に埋められた聖書と幼稚園史が16日までに見つかった。地元紙・北國新聞が伝えた。
聖書と園史は定礎板の後ろから銅製の箱に入って見つかった。園史は設立の1926年から園舎が建設された51年までのもので長さは約120センチ。宣教師や園関係者が記したものとみられる。
同園の園舎は金沢市内に残る貴重なヴォー リズ建築として親しまれてきたが、老朽化のため建て替えが決定。8月に解体工事を始めたところ偶然、聖書と園史が見つかったという。同園は51年以降の園史を加え、建設中の新園舎の定礎板に再び納める。
ヴォーリズは滋賀県近江八幡市を拠点に活躍した建築家で、国内に1500以上の西洋建築を残している。建築物には多数の教会、大学校舎などがあり、文化財に指定されているものも少なくない。