【CJC=東京】米国の著名な大衆伝道者ビリー・グラハム氏の息子フランクリン・グラハム氏が10月13日から15日まで、非政府組織(NGO)『サマリタンズ・パース』(サマリア人の財布)の会長として北朝鮮を訪問した。平壌国際空港では、6カ国協議の北朝鮮次席代表を務める李根外務省米州局長が出迎えた。朝鮮中央通信(KCNA)は「米朝関係進展の懸け橋の役割を果たしたい」との牧師の空港での発言を伝えた。金正日総書記への贈り物を持参した、とも報じている。北朝鮮メディアが第三国の首脳級要人以外の訪朝で、到着時の発言を紹介するのは異例。
フランクリン氏の訪朝は3度目。父親のビリー氏は、1992年と94年に訪朝、故金日成総書記と会談した。
フランクリン氏は北朝鮮高官らと会談、同団体が設立した医療施設を視察した。また、歯科医養成施設に19万ドル(約1700万円)相当の機器を寄贈する。
朝鮮中央通信によると、最高人民会議常任委員会の金永大副委員長は14日、表敬訪問したフランクリン氏一行と平壌の万寿台議事堂で会見した。フランクリン氏は席上、父親ビリー・グラハム牧師からの金正日総書記へのあいさつを伝えるよう金永大副委員長に託した。同日、朴宜春外相もフランクリン氏一行と会見した。
フランクリン氏が15日、経由地の北京で明らかにしたところでは、北朝鮮政府高官が同氏に対し、ボズワース米特別代表(北朝鮮問題担当)の訪朝を招請したことを確認した。北朝鮮政府に対する米政府のメッセージを伝えたとの見方は否定したが、帰国後、訪朝結果についてホワイトハウスに報告すると語った。