ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)の悲劇を今に伝えるホロコースト記念館(広島県福山市)はこのほど、ナチスのユダヤ人強制居住区(ゲットー)を再現したジオラマを制作。来月中旬から館内に展示することとなった。地元紙・中国新聞が伝えた。
ジオラマは2000分の1スケールで縦70センチ・横85センチ。チェコ北部テレジン市のユダヤ人アパートや強制収容所、監視塔などの写真や資料を参考に、スタッフが約2週間かけて制作した。ゲットーで描かれた子どもの絵のコピーなどと一緒に展示される予定。
テレジンのゲットーには1941年から5年間で延べ約14万人のユダヤ人が移住を強いられ、他の強制収容所に送られるなどして、生存者はわずか100人程度だったという。
同記念館は聖イエス会牧師の大塚信館長が1995年7月、「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクの父・オットー氏との親交をきっかけに開設。07年10月には新館が建てられ、今年8月には開館から約14年2カ月で入館者10万人を達成した。
同記念館では、虐殺されたユダヤ人の遺品が展示されているほか、ナチスの目を避けてアンネが過ごした「隠れ家」も再現されている。