約68億人と言われる世界人口のうち4人に1人に当たる約15億7000万人がイスラム教徒であることが、米調査機関ピュー・フォーラムの調べで明らかになった。
ピュー・フォーラムは世界232カ国・地域の国勢調査結果などを基にイスラム人口の分布を調査。国別に見ると、最もイスラム人口が多いのはインドネシアの2億286万7000人、次いでパキスタンの1億7408万2000人、インドの1億6094万5000人となっている。
地域別に見ると、アジア太平洋がイスラム世界人口の61.9%を占める9億7253万7000人で最多。次いで中東・アフリカ北部が3億1532万2000人(20.1%)、サハラ以南のアフリカが2億4063万2000人(15.3%)という結果となった。
国家の人口に対するイスラム教徒の割合が最も多い地域は中東・アフリカ北部で、全20カ国・地域のうち半数以上で人口の95%以上をイスラム教徒が占める。
各国で少数派であっても、非常に多くイスラム人口が存在する国もある。インドのイスラム教徒は1億6094万5千人と世界で3番目にイスラム人口が多く、同国人口の13.4%、世界のイスラム人口の10分の1に当たる。中国のイスラム教徒は2166万7千人で同国人口の1.6%を占め、シリアの2019万人より多い。ロシアのイスラム人口は、ヨルダンとリビアのイスラム人口を合わせた数より多い。
宗派別に見ると、シーア派は全体の10─13%で、スンニ派が87─90%と大部分を占めている。ただ、各宗派の所属組織に関する情報が不確かな国も多く、この数字は概算値であるとしている。
イスラム人口については、英デイリー・テレグラフ紙が8月、欧州連合(EU)内のイスラム人口が2050年までに現在の約5%から、約20%まで拡大するとの調査結果を発表。また、特に英国、スペイン、オランダの3カ国の「イスラム化」が顕著で、近いうちにイスラム人口が過半数を超えるとの調査報告も出している。
ピュー・フォーラムは2010年、同様の調査方法を用いて世界のキリスト教人口を調査する予定。