反核・平和活動に貢献した個人や団体に贈られる第21回「谷本清平和賞」の受賞者が7日、長崎市の全国被爆二世団体連絡協議会前会長・平野伸人氏に決まった。同賞は広島市の財団法人ヒロシマ・ピース・センターが主催し、これまでは広島を中心に活動する個人・団体を選考してきたが、今回同じ被爆地の長崎にも対象を広げた。受賞式は11月8日、広島市中区の広島工業大学で行われる。
同賞は広島流川教会牧師として米国で講演などを行い、被爆の惨状と平和の尊さを訴えるとともに、原爆孤児の救済活動に尽力した故・谷本清牧師の功績を記念して1987年に創設。これまで女優の吉永小百合氏や、漫画「はだしのゲン」作者の中沢啓治氏らが受賞している。
今回受賞の決まった平野氏は母親が被爆者の被爆二世。小学校教諭だった86年、長崎県被爆二世教職員の会を設立し、韓国の被爆二世との交流をきっかけに在韓被爆者の実態調査や支援活動を展開した。さらに98年からは核兵器廃絶を訴える「高校生平和大使」を毎年国連に派遣し、高校生による1万人署名活動も支援。海外被爆者や若い世代の平和活動を支援してきたことが評価され受賞に至った。