9年ぶりの開催となった日本伝道会議が閉幕した。日本プロテスタント宣教150周年記念大会に続いて、全国のクリスチャンたちが教会、教派の枠組みを越えて共に祈り、語り、新たな決意を誓った。2009年。この年が日本の宣教史に大きな意義を残すことを、わたしたち一人ひとりが望んでいる。
参加者全体の3分の1以上を信徒が占めたところに、「伝道は、わたしの使命である」という強い意識がはっきりと感じられる。あの人に福音を知ってもらいたい、救われてほしい、という祈りを神はきっと心に留めてくださっているはずだ。
政治と経済の混乱のなか、全世界が新しい秩序を求めて暗中模索の時代に突入している。経済不況にあえぐ日本でも、歴史的な政権交代が実現し、ヒト、カネ、モノという社会経済の主要素がその在り方を根底から問い直されている。
幸いなるかな、クリスチャンには聖書という断固揺らぐことのない秩序が与えられている。聖書の文言ひとつに対する神学的解釈に違いこそあれ、聖書全巻を通して示されている「ナザレのイエスこそ全人類の主なるキリストである」という秩序をすべてのクリスチャンが共有していることは、なんと豊かですばらしいことだろう。
イエス・キリストという地にまかれた一粒の種が、人間の経験し得るあらゆる苦痛と侮辱をその身に受けられた後、十字架の上で死なれて復活され、天の御国を約束してくださった。わたしたちもそのくびきを共に負い、祈りと賛美をもって十字架の道を日々歩んでいる。
世界が、日本が、家族と人々が希望のモデルを見失ったいまこそ、わたしたちが伝えるべきものは、イエス・キリストという秩序にほかならない。
2016年の日本伝道会議までの7年間、わたしたちは世界の、また日本のリバイバルのためにさまざまなことを計画し実行していくだろう。イエス・キリストの御あとに従って、御霊の満たしにかなう大きな器を用意したい。十字架の精神の下に集うわたしたちには、最後に絶対的な勝利が約束されているのだから。主イエス自ら示し、約束してくださったのだ。
わたしたちは札幌宣言の結文で「新たな歩み」を誓った。「神の御力に頼り、もっと広く、もっと深く、新しい日本と教会」を拓くことを願っている。神がわたしたちに何を望んでおられるのかを、わたしたちの魂ははっきりと感じ取っている。
地の塩としてこの世界、この時代に生かされているという使命感を個人的に告白することが何より大切だ。一人ひとりが神と向き合ってひれ伏し、祈ろうではないか。わたしたちの心に御霊の働き、その広さと深み、新しさを妨げるような困難や執着があるならば取り払われるように。義認に対する感謝と、伝道に対する情熱とでわたしたちの心が圧倒的に満たされるように。信仰の帯をしっかりと締め、いよいよ毅(き)然として汚れと不和とに立ち向かえるように。
わたしたちは何としても、約束の地までの道のりをこれ以上遠く険しくすることを避けなければならない。