世界教会協議会(WCC)の信仰職制委員会は来月ギリシャで会合を行い、キリスト共同体の今後について検討する。WCCが29日発表した声明によると、エキュメニカル総主教のヴァルソロメオス1世主催の会議が10月7日から14日までギリシャ・クレタ島で行われ、世界各地から120人の委員会メンバーらが参加する。
WCCによると、全体会議はキリスト共同体を代表する神学フォーラムとなることが期待されるという。会議では、キリスト教諸宗派でこれまで争点となっていた問題が取り上げられる以外にも、今日の教会内で意見の分かれる道徳観に関する問題も議論される予定だという。聖書の権威と教会との関係の考察、また考察の結果、教会が道徳的な善悪を判断する基準として、どのように聖書の権威を実行しているかのケーススタディなど、一連の研究に基づいて会議が行われる。
WCCプレジデントの一人である英国教会神学者メアリー・ターナー氏は会議参加者らに対し、信仰職制の歴史において新たなフェーズの始まりとなり得る会議であると述べている。会議の主題は「ひとつの教会に召されて(Called to be the One Church)」。教会の将来について検討する「教会の本質と使命(The Nature and Mission of the Church)」なども議題として取り上げられる予定だ。
会議にはギリシャ正教、南アフリカ長老教会、英国およびキューバ聖公会、マレーシアメソジスト教会、ローマ、中国、イタリアカトリック教会の聖職者らが参加する。
WCCは、世界120カ国以上に在住する5億6千万人のキリスト者らによって組織されたエキュメニカル組織。ギリシャ正教の大部分、および聖公会、バプテスト教会、ルーテル教会、メソジスト教会、改革派教会、その他多くのプロテスタント教会や聖霊派の教会、カトリック教会の一部が加盟している。