エリムキリスト教会が毎年、秋分の日に行っている「天国聖会」が今年も23日、生駒聖書学院(奈良県生駒市)の大チャペルを会場に開催された。榮義嗣牧師(富雄キリスト教会)の司会のもと、参加者一同で主の祈りを唱和し、バイオリン、チェロ、クラリネット、フルート、ギターからなる「アンサンブルエリム」の演奏後、院長の榮義之牧師が、同聖会について短いメッセージを語った。
榮義之牧師は、ヨハネの黙示録14章13節の「また私は、天からこう言っている声を聞いた。『書きしるせ。“今から後、主にあって死ぬ死者は幸いである”』 御霊も言われる。『しかり。彼らはその労苦から解き放されて休むことができる。彼らの行いは彼らについて行くからである』」を引用。
第一に、イエス・キリストを信じる者にとって死は幸いである。第二に、死はすべての労苦からの解放であり、天での慰めと平安があふれる休みのときである。第三に、先に召された方々の証しが、残された家族や教会員への大きな勇気と希望を与えるものであると、自らが直接天に送った50数人の思い出とともに語り、多くの慰めと感動の涙のときとなった。
メッセージの後には、ゴスペルシンガーの本田路津子によるコンサートが行われた。コンサートでは美しく優しい歌声が会場全体に響き、天国を思わせる慰めと愛に満ちた90分となった。
本田路津子は1970年、ニッポン放送とテレビ東京が主催するハルミラフォークコンテストにジョーン・バエズの「シルキー」を歌い優勝。プロの歌手としてデビューした。デビュー曲「秋でもないのに」に続き、「ひとりの手」「風がはこぶもの」などのヒット曲を出し、多くの人々が高音の澄んだ美しい声に魅了された。
NHKの朝の連続ドラマ「藍より青く」のテーマソング「耳をすましてごらん」でお茶の間でも親しまれ、NHK紅白歌合戦にも2度出場。5年間の歌手生活の後、結婚し渡米して、米国でイエス・キリストを信じてクリスチャンとなった。88年に帰国した後には、キリスト教会を中心にゴスペルシンガーとして活動を開始し、これまでに9枚のアルバムをリリースしている。
年間50回以上のコンサートに出演し、澄んださわやかな歌声で、今でも多くの人々に神の愛と慰めを与え続けている。
01年の第4回ゴスペルCCM大賞で、アーティスト部門、アルバム部門の2部門で金賞を受賞。また同年には、地域での活動が評価され、国際ソロプチミスト賞を受賞するなど、その美しくソフトな歌声は聴く者の心を魅了し続けている。
今回も、高松市民文化センター、豊浜キリスト教会、四国学院チャペルと香川県で3日間連続のコンサートを終えた後の天国聖会での出演であった。
往年のファンは、遠くは東京や三重からも駆けつけ、爽やかな秋晴れの天国の一日を楽しんだ。
すばらしい賛美の後に、持ち寄りで用意された食事は、天国の食卓のようであり、初めて聖会に参加した人たちもクリスチャンの美しい交わりに満足したようだ。