徳島県鳴門市の大塚国際美術館にある、バチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画と祭壇壁画を原寸大に再現したシスティーナ・ホールで5日、新作歌舞伎「切支丹寺異聞 伽羅沙(きりしたんでらいぶん ガラシャ)」が上演され、約500人の観客は和と洋の織り成すコラボレーションを楽しんだ。
上演作品はキリスト教徒(キリシタン)として世界的に知られる細川ガラシャをテーマにしたもので、ガラシャを女形の上村吉弥が、ガラシャの夫・細川忠興を坂東薪車が好演。また、鳴門教育大学合唱団が聖歌隊として出演するなど教会音楽も取り入れられ、ホールに再現されているミケランジェロの絵画「最後の審判」をバックにガラシャの激動の生涯が描き出された。
バチカンにあるシスティーナ礼拝堂の天井画と祭壇壁画は16世紀、教皇ユリウス2世がミケランジェロに依頼したもので「天地創造」や「最後の審判」などが描かれている。大塚国際美術館のシスティーナ・ホールはこれを再現しており、今回ここを舞台に歌舞伎が演じられることで見事な和と洋の融合が実現した。