・・・ヘロデはペテロを捕えて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。それは、過越の祭りの後に、民の前に引き出す考えであったからである。・・・。教会は彼のために、神に熱心に祈り続けていた。・・・ペテロは二本の鎖につながれてふたりの兵士の間で寝ており、戸口には番兵たちが牢を監視していた。すると突然、主の御使いが現われ、光が牢を照らした。御使いはペテロのわき腹をたたいて彼を起こし、「急いで立ち上がりなさい。」と言った。すると、鎖が彼の手から落ちた。(使徒12章1節〜17節)
ペテロが捕えられ、今にも処刑されようというとき、初代教会の人々は何をしていたのでしょうか?彼らは祈っていたのです。
使徒の働き2章のはじめに出てくるように、教会は聖霊によって誕生しました。聖霊により力を得て大胆に証しし、わずか120人ほどの人々から始まった教会は、日ごとに何百人何千人の人々が仲間として加えられていきました。
互いに祈り、持ち物を分かち合い、人々にも好意を持たれ奉仕をし、食事の度にイエスの十字架の死を記念して感謝する生活をしていました。そして、彼らがイエス・キリストを証しするたびに救われる人々が起こされたのです。
彼らの生活は、現代人の求める民主主義ではなく、神主主義と言うべき、神中心の生き方でした。それが、本来の教会の姿です。
私たちは、教会が最初に誕生したときからあったものを見失ってはなりません。聖霊の働く生きた教会にあるべきものを、特に3つ押さえておきましょう。
1.キリストの御名
教会にどうしてもなくてはならないものはイエス・キリストの御名です。どんな病の癒しも救いも、イエスの御名がそれを実現するのです。世界に何十億の人間がいようとも、私たちを救いに導き、悪霊を追放する権威ある名は、このイエス・キリストの御名以外にはありません。
教会にはイエス・キリストがおられなくてはいけません。人間の組織としての集まりが教会なのではなく、キリストがおられてこそ教会です。
2.大胆な証しと信仰の行動
当時の教会は建物や聖書や楽器など、今のクリスチャンが普通に持っていそうなものを何一つ持っていませんでした。しかし、大胆なイエスを証しする信仰と、イエスが救い主であると語るための行動があったのでした。
本当の元気は聖霊から来ます。神の霊が私たちを強めてくれるのです。人間の力ではなく、聖霊が働くときに力を受け、その力は、私たちがイエスの素晴らしさを人々に伝えるとき発揮されます。
教会もクリスチャンも元気になるためにしなくてはいけないのは、証しと伝道です。そうすることで私たちは霊的に力を受け、元気でいられるのです。
3.全ての人を満たす聖霊
4章31節にあるように、彼らは、「一同」聖霊に満たされたのです。いつも聖霊に満たされることを求め、聖霊は彼らを満たし続けていました。
そして、聖霊は単なる力、エネルギー、勢いではありません。人格を持った神ご自身が私たちの内に働いておられるのですから、聖霊に満たされた教会では、私たちの罪や偽りに対しても聖霊の力が敏感に働き、聖めを行なわれます。見栄を張って人に喜ばれ尊敬されようとする者ではなく、神に喜ばれる者へと変えてくださるのです。
教会は聖霊によって誕生しました。本当の教会には聖霊が働き続けるのです。教会には救い主であられるイエスがいつもいて下さり、私たちにはいつも信仰の証しがあり、イエスを伝道し、私たちはいつも聖霊に満たされ続ける。それこそが教会です。
教会はキリストのからだであり、いっさいのものをいっさいのものによって満たす神ご自身が聖霊によって満ち満ちておられます。だから、問題や困難の中でも私たちは慌てません。初代教会の時代からいつもバラ色という時代はありません。現実生活の中では常に波風が起こり、試練もあるでしょう。迫害にあうことがあるかもしれない。でも大丈夫です。キリストが共にいて、キリストが与えられた伝道と証しの使命に生きるなら、聖霊が働き、必ず祝福されます。たとえ迫害の中でも着々と成長するのです。
人の知恵や、単なる習慣、組織論で生きているのが教会ではありません。聖霊に満たされた教会が、人々の人生を変え続け、世の中、時代を、歴史を変えていきます。あなたも、その教会の一員であり続けてください。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。