13.問題からもたらされる最大の利益
問題からもたらされる最大の利益、それは「人が神を心から愛し、隣人を自分のように愛するようになる」ということです。
「耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ」という言葉がありますが、「もうこれ以上、耐えられない。もうこれ以上、忍べない。しかし、愛は耐えることだ、忍ぶことだ。ああ、耐えなくてはいけない、忍ばなくてはいけない。いや、でもできません。神さま、あなたが愛の神であるならどうか助けてください!」と叫んでいるうちに、愛がどんどん湧き起こってきます。それでなんとか耐えられる、なんとか忍ぶことができる。こうして神との関係が深まっていくわけです。
「ああ、神は現実に生きておられるのだ。現実に私を助けてくださるのだ。主よ、あなたを褒め称えます。あなたを賛美します。あなたに感謝します。あなたを心から愛します」。そういうすばらしい循環が起こるのです。
その結果として、鬼みたいな敵を赦すことができる。愛することができる。その人のために祈ることができる。「今、敵対していますけれども、どうぞこの方が平安になりますように。私がこの方を赦す気持ちになれますように。この方がイエスさまを信じて永遠の命に生かされますように」という思いと祈りが出てくるのです。
「愛し難きを愛す」ということです。そういう気持ちで接していくと、相手の方もだんだん和らいできて、「そんなつもりじゃなかった。俺が悪かった。赦してくれ」。それで握手できるのです。かえって、その人ともっとよい関係を持つことができるようになる。
ですから、問題は嫌ですが、いいものなのです。嫌で嫌で逃げたいですが、逃げたら恵みはありません。やっぱり嫌でも正面から取り組んでいく。それは、私たちの小さい力ではできません。全能の愛の神、偉大な父なる神によりすがっていくことなのです。(次回に続く)
佐々木満男(ささき・みつお):国際弁護士。宇宙開発、M&A、特許紛争、独禁法事件などなどさまざまな国際的ビジネスにかかわる法律問題に取り組む。また、顧問会社・顧問団体の役員を兼任する。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL.M)。このコラムでは、2004年11月6日のインターナショナルVIPクラブ広島特別講演会での講演録を再構成し、一部加筆したものを紹介する。