アフリカ西部のナイジェリア北部で26日以降、イスラム系武装組織と治安部隊の衝突が続発し、AFP通信によると28日までに250人以上が死亡した。衝突は、「ナイジェリアのタリバン」と自称する武装組織がキリスト教会や警察署を襲撃したことをきっかけに、治安部隊が大々的な反撃に出て始まった。
同通信によると、同組織は26日早朝から北部4州の警察施設を攻撃。米CNNは、26日北部バウチ州で発生した戦闘では兵士・警官41人が死亡、176人前後が拘束され、隣接するヨベ州では警官1人、民間人1人が死亡、7人が負傷し、武装勢力のメンバーとみられる23人が拘束されたと伝えた。
ナイジェリアは北部にイスラム教徒、南部にキリスト教徒が多く、これまでも対立があった。昨年11月にはプラトー州の州都ジョスでも衝突が発生しており、人権団体などによると最大で700人が犠牲になったと見られている。今回の衝突はそれ以来最悪のものとみられており、米CNNはナイジェリア北部を拠点とする人権団体「人権会議」会長のシェフ・サニ氏の話として、死者がすでに400人を上回ったと伝えている。
暴動を起こした「ナイジェリアのタリバン」は、アフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバンを模倣して02年に組織され、04年にニジェールと国境を接するヨベ州に「アフガニスタン」と称するキャンプを設立。当局に幹部を拘束されたとして、襲撃を繰り返している。