元カネボウ薬品会長の三谷康人氏が28日、日本キリスト教連合会(山北宣久委員長)の今年度第1回目の定例会で講演し、今年6月に発行された「エリヤのように」(エリヤ会出版委員会編纂、イーグレープ)での自身の発題内容をベースに、日本のキリスト教界について変革の必要性を訴えた。
三谷氏は、日本でキリスト教のイメージは決して悪くないのに、教会があまりにも成長しない現状について、「(日本の教会・キリスト者の)体質に問題はないか」と指摘。日本社会が今後ますます少子・高齢化する中で、「このまま放っておくととんでもない状況になる」と危機感をあらわにした。
「原点に立ち返るときではないか」。三谷氏は、教会が最も最優先して果たすべき使命は「大宣教命令」(マタイ28:18〜20)、つまり教会の外にいる総人口の99%を占めるノンクリスチャンに伝道することにあると強調。そのためには、教会の牧師や信徒がノンクリスチャンのことをよく知り、そのニーズに合わせて教会を変えていかなければならないと訴えた。
また、(1)神、(2)信徒(信徒なら牧師)、(3)ノンクリスチャンの3つの視点を持つ必要性を強調。まずは、神が自分に何を求めておられるのかを知ろうとすること、次に牧師と信徒が互いの使命と役割を確認し、外への伝道という同じ方向に向かうこと、そしてノンクリスチャンの都合、視点から考えて伝道することが必要だと述べた。
三谷氏は、教会の変革には何よりも神の御言葉と祈りによって牧師と信徒の霊性を高めること、そして神の前にともに出て徹底的に議論し、使命を共有化する取り組みが必要と指摘。「(今は)日本が変わるチャンス」「まず我々が変わる。そうすると、必ず変わります」と力を込めた。