【CJC=東京】ギリシャにこの6月に開設された『アクロポリス博物館』。入館者にパルテノンの歴史とキリスト者による破壊を説明する映画を製作したが、全編13分の一部、1分40秒のアニメを早くも削除することになった。同館が7月26日明らかにした、とロイター通信が報じている。
現地メディアは、同国で圧倒的な影響力を持つギリシャ正教会が抗議した、と報じたが教会側の公式発表はない。
「かつて聖職者が大理石を破壊したそのことを今回は映画に行った。これでは自分の名を外さなくてはならない」と製作者のコスタ・ガヴラス氏はテレビで語っている。
『アクロポリス博物館』は、1806年に英国のロード・エルギンがパルテノンから持ち去った大理石の彫刻を取り戻し収蔵する目的で計画されたが、訴訟が長引き、開館も大幅に遅れた。「エルギン・マーブル」と呼ばれる彫刻は大英博物館に陳列された。