国家がキリスト教会を弾圧した1942年の「昭和の弾圧」事件から、26日で67年を迎える。弾圧の時代に信仰を貫いた先達に学び、その信仰を次の世代に継承しようと21日、第18回ホーリネス弾圧記念聖会が東京新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会で開かれた。
集会は2部構成で行われ、第1部の講演会では、日本カトリック司教協議会エキュメニズム部門・列聖列福特別委員会秘書の平林冬樹司祭が講演。第2部の聖会では、大戦中に弾圧を受けた高橋俊三・深川木場教会牧師の子女、高橋愛子氏(東京中央教会信徒)が立証。基督兄弟団幹事、関東教区長の池原三善牧師(境教会)が説教した。
第1部の講演会で平林司祭は、カトリック教会において「聖人」または「福者」と呼ばれている人物について話を進める前に、前提としてカトリック教会の「聖人」が偶像崇拝にあたらないことを強調した。「聖人」とは、生涯をかけてイエス・キリストを証しし、後世の信仰者たちもその信仰を見習ってもよいと教会が公式に認めた人のことであり、信仰者にとっては「(その証しを通して)イエス様をもっとよく理解させる人たち」であると説明。キリスト者が真に従うべきはイエス・キリストのみであり、神を知る手段もイエス・キリストのみ、聖書のみであることは大前提であり、「(聖人たちの)証しをうけて、私たちの信仰は強められている」と述べた。
また殉教者について、「本当の証しを、命をかけて行った人」と定義。キリスト教が殉教者の血によって生まれたという歴史の事実に触れ、「教会は殉教の証しをDNAとして持っている」と述べた。そもそも人類に向かった神の愛をまず先に示されたのがイエス・キリストの十字架であることを考えると、教派の違いを超えてキリスト教会はみな同じ「DNA」を持っているはずと訴えた。
平林司祭は、聖書に登場する殉教者の一人としてパウロを挙げ、また昨年11月に日本で列福されたペトロ岐部(1587〜1639)、ジュリアン中浦(1568〜1633)らの生涯を紹介。自らの命をかけてまで信仰を貫き通した先達がいるという事実は、カトリック教会だけでなくプロテスタント教会を含めた教会全体の「共通の宝」だと語った。