2004年の自殺者数は3万2325人に上ったと警視庁が発表した。前年と比較して約2000人減少したが、統計を取り始めた1978年以来、7年連続で3万人を突破した。自殺者の増加が一時的でないことが証明された形となってしまった。
警視庁が今年3月末に発表した交通事故の死者数は8492人。死者数は、政府や警察の対策で近年、減少傾向にある。教会は、交通事故や紛争以上の犠牲者を出す日本の自殺を防止するために、救済という第一の使命を、行動に移さなければならない。
年齢別では、60歳以上が全体の34.0%を占め、次いで50歳代(24.0%)、40歳代(15.8%)、30歳代(13.4%)等の順となっている。国民の平均寿命が世界で最も高く、また先祖や年配者に特別な敬意を払う国としても知られる日本で、人々はいま、歳を重ねながら、何を求めて死に急ぐのか。
動機別では、健康問題が39.1%、経済・生活問題が同32.9%、家庭問題が同9.7%、勤務問題が同6.0%で、遺言が残されている自殺だけを集計したものだ。
また、全自殺者の7割は男性で、女性の2倍をはるかに超える。特に経済・生活問題による自殺が目立つ。命の価値が経済の景気に左右されてはならない。責任論が強調される日本で、律法に勝る生命の尊さを伝えたい。絶望の中に輝く「救い」と「御国の約束」の光を、知らせることが必要だ。
集団自殺による死者も目立つ。「死にたいほど苦しい」気持ちを理解されたい思いで町を彷徨(さまよ)い、インターネットを彷徨う人々が、最初に誰と出会うだろうか。同じ自殺願望を持つ「死の友」かもしれないし、日々、地道に伝道を続けるキリスト者かもしれない。