【CJC=東京】聖霊降臨(ペンテコステ)の5月31日、教皇ベネディクト十六世はバチカン(ローマ教皇庁)でミサを行った。教皇は、核エネルギーが武力目的で使用されこれまでになかった多く死者を出した広島と長崎の悲劇を想起した。バチカン放送(日本語電子版)が報じた。
教皇はミサの説教で、使徒言行録に記される聖霊降臨のエピソードで、聖霊が激しい風と炎の象徴をもって表されていることに注目、風すなわち空気は生物的な生活の中で、また聖霊は精神的な生活の中で、どちらも人間が生きていく上で必要なものと教皇は述べ、真の火である聖霊は、キリストによって地上にもたらされたと強調した。
教皇は現代、人間は自分が神であるかのように振る舞い、自分たちは独立し自由で成熟していると主張するその姿は、福音書のたとえ話にある父の家から離れた放蕩息子を思わせると指摘、このような神からの乖離は、単に人間の精神上の問題だけでなく、今や人類全体の問題にもなっており、こうした状態の人間が「火」を持つことはいのちと人類そのものに関わる危険をもたらすと述べた。