【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世はイスラエル滞在2日目の5月12日午前、エルサレム旧市街に入り、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教のそれぞれのシンボルとして、岩のドーム、嘆きの壁、最後の晩餐の行われたとされる場所を訪れた。
早朝、岩のドームを訪問した教皇は、イスラム教指導者らに迎えられた。教皇は習慣に従って靴を脱ぎ、神殿に入った。
バチカン放送(日本語電子版)によると、付属の施設で行なわれたイスラム教共同体の代表者らとの集いの挨拶で、教皇は分裂に傷ついた世界において、この地が過去の無理解と闘争を乗り越え、未来の世代のために正義と平和を築くための刺激となっていくことを要望した。
その後、教皇は、ヘロデ王が再建した神殿の外壁の一部で、「西壁」とも呼ばれる、「嘆きの壁」に向かった。
教皇は壁の前で、主席ラビと共に、ヘブライ語とラテン語でエルサレムの平和のために祈りを読み上げ、聖地と中東、全人類の平和と、すべての人が正義と慈愛の道を一致して歩むことを神に願うメッセージを、祈りと共に、壁石の間に差し込んだ。
続いて教皇はヘファル・シュロモ・センターに主席ラビを表敬訪問、ユダヤ教とキリスト教の対話の促進をテーマに挨拶を交わした。
正午近く、最後の晩餐の『高間』を訪れた教皇は、聖地のカトリック教会関係者らと会見した。
午後、エルサレムのゲツセマネ教会とオリーブ山の向かい側に広がるヨサファトの谷でミサをささげた。教皇は説教で、この都が「平和の道」を知ることを切望し、その愛のために泣いた場所であることを想起し、ミサに集った聖地の信者たちを前に、この地で続く闘争のために彼らが直面する困難や悲しみ、苦しみに心を留め、多くの家族が土地を捨て流出せざるを得ない状況に、深い連帯を寄せた。教皇は、エルサレムがすべての民族にとって真に「平和の都市」、皆の巡礼地、すべての人がいられる場所であるよう強調された。