【CJC=東京】米週刊誌タイムは「世界で最も影響力のある100人」を毎年選定、発表しているが、4月30日、2009年度の中に『慈悲修道女会』(シスターズ・オブ・マーシー=RSM)のメアリー・スカリオン修道女(55)を選定した。
100人は、毎年政治家や科学者、芸術家、経済人などから独自に選出。「政治家」部門ではバラク・オバマ米大統領やジェームズ・ゴードン・ブラウン英首相、アンゲラ・メルケル独首相など大物が名を連ねた。アジアからは中国の習近平国家副主席と王岐山副首相、インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領らが選ばれた。日本人としては08年のノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授が選ばれた。南部氏は東京出身だが、1970年に米国籍を取得した。100人のリストは5月1日発売号に掲載される。
同修道女は米東部フィラデルフィアでホームレスの人たちに住まいを提供する非営利団体『H・O・M・E』創設者の1人で現在責任者。ホームレスの減少に貢献、他都市での活動のモデルともなっている。
「この名誉に深く感謝しているが、まだ路上にそして私たちが提供しているシェルターにいる男女、子どもたちに緊急に対応することが大事だ。全ての人に家庭というものが存在しない限り、誰にも家庭は存在しないのだ」と言う。
同修道女は『慈悲修道女会』に1972年入会した。同会は1831年、アイルランドのダブリンでキャサリン・マコーリーによって創設された。質素、貞潔、服従、貧者・病者・非知識者への奉仕を誓う。その中で同修道女は貧者たちへの奉仕に献身し、『H・O・M・E』創設に至った。