【CJC=東京】かつて東ドイツで人権擁護活動を行い、現在では『緑の党』の有力政治家として知られるカトリン・ゲーリング=エッカルト(43)氏が、独プロテスタント最大教派『福音教会』(EKD)議長に就任した。
バイエルン州ヴュルツブルクで開催された大会で5月2日選出された。同氏は、経済正義と創造の保護に関して声を上げる、と語った。「経済危機を乗り切ったとしても、気候の危機には取り組まなければならない」と言う同氏は連邦議会副議長でもある。
これまでEKD議長は一般信徒が就任するのが恒例で、さらに最近では社会民主党員が選ばれおり、『緑の党』員が選ばれたのは初めて。
キリスト教専門EPD通信とのインタビューで、ゲーリング=エッカルト氏は、プロテスタント教会がもっと公の場に出て行くべきだ、と述べた。「プロテスタント教会で一般信徒が指導的な役割を果たすことを明確に出来るのは良いことだし、もちろん、その人がすでに著名な人なら結構だ」と言う。
ゲーリング=エッカルト氏は、東独の共産主義政権反対運動が行われた1989年にはライプチヒで神学を学んでいた。当時、市民運動として結成された『今ぞ民主主義』に加入した。同組織は1990年の両独統一後に『緑の党』と連合を結成した。
同氏はその後、政治活動に専念するため神学研究を断念、98年に連邦議員に当選した。2003年から教会大会議員を務めているが、牧師と結婚し各個教会レベルの教会生活にも通じている、とEPD通信は報じた。