【トリーア(独)=ENI・CJC】ドイツ福音教会のマルゴット・ケースマン監督は、16世紀の神学者ジャン・カルヴァン(1509〜1564)によるプロテスタント労働倫理を、現在の社会、経済状況下では行きすぎになると批判した。
プロテスタント宗教改革の「揺りかご」でもあるジュネーブで果たした役割で知られるカルヴァンの生誕500年を記念して開かれたフォーラムで、「神の愛は、社会の中で強く、生産的な人々にだけあてはまるのではない」とケースマン監督はコメントした。同監督は、成果主義の業績が、社会で非常に重要とされるような時に、そのように主張することが重要だと信じると語った。独プロテスタント通信EPDが報じた。
ベルリンのドイツ歴史博物館で4月15日、同監督は「より多く生産する人々は、より多く祝福される。燃え尽き症候群の時代に、私たちは『この倫理によって何を引き起こしたか』自問する必要がある」と語った。
カルヴァンは、プロテスタント労働倫理とされ、資本主義の成立に大きな役割を果たし、「義務と目的」の意義を広めた。
ベルリン討論フォーラムは、同博物館がカルヴァン生誕500周年記念に企画したカルヴァン生誕500周年記念イベントの最初の催し。ケースマン監督のテーマは規律に関するものだった。その後7月19日まで1週間ごとに金銭、抵抗、イメージ、民主主義といったテーマが取り上げられる。
フォーラムは「カルビニズム=ドイツとヨーロッパにおける改革派プロテスタント」というカルヴァンの生涯と働きに関する展示の一環をなしている。歴史的な文書、美術品、礼拝用品など360点以上をそろえたベルリン博物館の展示は『カルヴァン年』の間ヨーロッパで最大のもの。