
群衆に手を振るローマ教皇フランシスコ=2013年(写真:Boris Stroujko / Shutterstock)
カトリック教会のローマ教皇フランシスコが21日に88歳で死去したことを受け、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会の戸松義晴理事長は22日、コメントを発表した。教皇は「全人類の希望と慈愛の象徴」だったとして、その死を惜しむとともに、宗教間対話や平和構築など、さまざまな分野で多大な貢献をしたとして、その功績をたたえた。
戸松氏は、厳しい国際情勢の中、教皇は「誰よりも率先して、信頼、対話、協調、連帯、和解、赦(ゆる)しといったメッセージを発信し、実際に行動してこられました」とし、そうした姿勢に多くの勇気と励ましを得てきたと述べた。その上で、宗教間対話の推進や核廃絶の訴え、難民問題や環境問題への取り組みなど、教皇の具体的な「愛の実践」を挙げた。
また、2019年の来日は特に印象に残っているとし、教皇が日本で伝えた幾つかのメッセージを引用。「こうしたメッセージと行動は、懸命に平和のために心血を注いで実践をしている人たちに、同じ志を共有しているという一体性から生じる安心感と、そこから湧き上がる今後の行動への躍動感に満ちた活力を与えました」と述べ、感謝の意を伝えた。
最後には、教皇の遺志に応えるため、「WCRP日本委員会は、さまざまな宗教者がより積極的に対話を重ね、力強く連帯し、『すべてのいのちを守るため』の慈しみの実践を新たにすることを誓います」と表明した。