
2026年に東京のスタジアムを会場にして、大規模な伝道集会を開催する計画が進んでいる。今月初めには、東京と愛知でプレイベントが行われ、日本の教会の一致とリバイバルを求めて、熱心な祈りがささげられた。
集会の準備を中心になって進めているのは、主に欧州の大型施設を会場に伝道集会を開いているアウェイクニング・ヨーロッパが、2019年に森下将光・エスター牧師夫婦を派遣して始まったアウェイクニング・アジア。「アウェイクニング・ジャパン2026」として開催する計画で、昨年11月には、牧師や宣教団体のリーダーらを対象に、集会について説明するビジョンミーティングを開催。アウェイクニング・ヨーロッパの創立者であるベン・フィッツジェラルド牧師も来日し、集会に向けてビジョンを分かち合った。
「日本のために心を合わせ、集まってくださったことを感謝します。なぜなら、これは私たちアウェイクニング・アジアだけではできないことで、また、私たちのミニストリーだけのものでもないからです」
今月5日にアウェイクニング東京(東京都台東区)を会場に開かれたプレイベントで、森下牧師は、日本の教会が一致する重要性を何度も強調した。「私たちは同じ一つの家族です。イエスが私たちにしてくださったように、互いに赦(ゆる)し合い、愛し合い、仕え合う。これが神様の御心です。日本の本当のリバイバル、大収穫の始まりはこれにかかっています」。それぞれの教会が一つになって互いに手を取り合うとき、「宣教師の墓場」「クリスチャン人口がいまだに1%」と言われてきた日本に、「過去に見たことのないリバイバル」が訪れると力を込めた。

その上で、教会が一つになるには、まずは自分たち自身が変わる必要があると話した。
「日本の宣教は難しいと言うとき、それはこの国に対する不信仰ではなく、神様のこの国を救う力に対する不信仰なのです。もともと私たちの力によって救うことはできません。しかし、神様の国は成長し続ける、拡大し続ける性質を持っています。何がそれを妨げるのでしょうか。私たちのプライドです。人間のエゴです」
森下牧師はまた、この集会は「一回きりのイベント」で終わるものではないと強調した。
「これを通して、キリストの体が一つにされます。これはムーブメントの始まりです。教会が一つになって互いに愛し合い、受け入れ合うとき、福音の中で本当の一致が生まれるとき、この国は変わります」

実際に、アウェイクニング・ヨーロッパは、15年にドイツで開催した最初の伝道集会を契機に、一つのムーブメントとして成長し、ヨーロッパ各国に影響を与えてきた。
オーストラリア人であるフィッツジェラルド牧師がドイツに渡ったのは、その前年の14年。米国の神学校で学び牧師となった後、宣教旅行などで何度かヨーロッパを訪れ、好感を抱いていたフィッツジェラルド牧師はその年の初め、ドイツ南部の都市ニュルンベルクに足を運んだ。ニュルンベルクは、ナチスの大規模な党大会会場があった都市として知られている。その跡地を訪れて祈ったとき、ヨーロッパ中の人々が集まり、神に救いを求める幻を、一緒に訪れた友人と共に見たのだった。
その後、さらに確信を与えられる出来事があり、ドイツに渡って宣教することを決意。ドイツの教会とは全くコネクションがなく、無名な存在だったにもかかわらず、翌年には、かつてアドルフ・ヒトラーが何万人ものナチス党員を前に演説したその地で、最初の伝道集会を開催。4日間でヨーロッパ各国から2万7千人を超える人々が集まった。
アウェイクニング・ヨーロッパはその後、16年にはスウェーデン、17年にはチェコ、18年にはラトビア、19年にはオーストリア、22年にはオランダで、スタジアムやアリーナを会場とした伝道集会を開催。18年と24年には、フィッツジェラルド牧師の母国であるオーストラリアでも開催した。

アウェイクニング・ジャパン2026の構想も、森下牧師夫妻に示された幻から始まっている。まだ2人が出会う前の14年、スタジアムを会場にした大規模な伝道集会で多くの人々が救われる幻を、それぞれが別々に見ていた。それから10年がたった昨年、社会もコロナ禍前に戻った時期に、再び当時の幻を示されたのだった。
アウェイクニング・アジアは現在、東京都内のスタジアム1カ所と交渉中で、その他の候補も検討しながら、会場の確定に向けて準備を進めている。
牧師と信徒を交えたプレイベントは今回が初めてで、アウェイクニング東京の会場には50人以上が、前日に開いた日本アビバメント福音教会(愛知県小牧市)の会場には200人以上が集まった。中には、プレイベントに参加するためだけに、米国やオーストラリアなどの海外から来日した人たちもいた。今後も日本各地の教会と協力するため、さまざまな地域で開催していく予定だ。

昨年11月に、21世紀キリスト教会(東京都渋谷区)を会場に開いたビジョンミーティングには、牧師や宣教団体のリーダーら90人以上が参加した。フィッツジェラルド牧師はその中で、誠実に神に仕え続けている日本の牧師たちに、敬意と感謝の思いを伝えた。しかしその一方で、誠実に信仰の道を守り続ける中、どこかでマンネリ化し、現状にとどまってしまっている状況はないかと問いかけた。
受洗者が10年で1人ほどだと話す、ドイツで出会った牧師の話を紹介しつつ、「これは神様のベストではないと思います」とフィッツジェラルド牧師。「もう一度信仰を持ってください。神様はもっと大きなことをできることを信じてください。主の御言葉を見てください」と励ました。

ビジョンミーティングでは質疑応答の時間もあり、過去に日本で開催された伝道集会の経験を踏まえた率直な意見が出たほか、協力教会の費用負担や具体的な協力内容についての質問などが出た。
費用については、協力教会に特別な負担を求める予定はなく、アウェイクニング・ヨーロッパがこれまで各国で開催してきた伝道集会でも、現地の教会に負担を求めたことはないと説明。有料のチケット制にして、その売上などで必要な費用をまかない、一方で未信者向けには無料のチケットを用意し、開催前や開催期間中に協力教会がチケットを配布することを考えていると話した。協力内容については、プレイベントの会場提供や、アウェイクニング・ヨーロッパから派遣する宣教チームの宿泊場所の提供などを挙げた。
アウェイクニング・アジアは今後、アウェイクニング・ジャパン2026に関する情報をインスタグラムやニュースレターなどで発信していく。