74年の第1回会議より、日本における福音派教会の一致に重要な役割を果たしてきた「日本伝道会議」の第5回会議の開催が間近に迫ってきた。会議は、9月21日から24日までの4日間、北海道の札幌コンベンションセンターで開かれる。「和解の福音」をテーマに、教会が和解の使者であることを明らかにした「沖縄宣言」から9年、日本も世界もあらゆる面で「危機の時代」(エレミヤ14:19)を迎える中で、新しい時代を切り開くための深みと広さを持った教会協力と宣教協力のあり方を模索する。
会議の中心は、宣教協力に関する15のテーマについてグループ別に話し合う「プロジェクト」。会議の前年から数人がプロジェクト・チームを組み、開催中には参加者とテーマをより深く掘り下げていく。参加者の協力関係が会議後も継続することを視野に入れた企画だ。最終日には、第5回会議の宣言文となる「札幌宣言」を採択する。
3日間にわたって行われる「聖書講解」の特別講師は、インド・フリーメソジスト教会監督のナレンドラ・ジョン博士。アジア神学協議会(ATA)の代表として日本の神学教育の向上にも努めてきた。アジア神学界の指導者である。
他にも、日本宣教の主要テーマに関する講演会や、多種多様な宣教の働きに関する全32の分科会など、豊富なプログラムを用意。3日目午後には青年大会も開催する予定だ。
1日目のオープニング・セレモニーでは、山口陽一氏(東京基督神学校校長)が「プロテスタント宣教150周年」、竿代照夫氏(インマヌエル中目黒教会牧師)が「宣教協力のあり方」と題して基調講演を担当。北海道の宣教の歩みをビデオ映像で振り返るほか、ウィリアム・クラークの生涯をテーマにした紙芝居を上演する予定だ。
2日目の聖会では、村上宣道氏(日本ホーリネス教団坂戸キリスト教会牧師)がメッセージを担当。北海道連合聖歌隊による賛美や三浦光世氏の講演を予定している。
3日目の宣教大会では、日本から海外へ派遣されている宣教師や日本で働く宣教師を紹介する。説教は米内宏明氏(国分寺バプテスト教会主任牧師)。
今年は、日本におけるプロテスタント宣教150周年の節目の年。内村鑑三や新渡戸稲造らを輩出した日本のプロテスタント発祥の地で、福音信仰に立つ諸教会が日本宣教の未来を展望する。
そして、現代人の魂のかわきを満たし、社会の問題を根本的に解決し変革するのはキリストの福音であることを確信し、人々がいかに生きるべきかを指し示す。