米音楽界最高峰とされるグラミー賞の第67回授賞式が現地時間3日夕(日本時間4日午前)、ロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで開催された。キリスト教関係の5部門では、ゴスペル歌手のシーシー・ワイナンズ(60)やDOE(36)らが受賞した。
グラミー賞のキリスト教関係部門は、▽最優秀ゴスペル楽曲賞、▽最優秀現代キリスト教音楽(CCM)楽曲賞、▽最優秀ゴスペル・アルバム賞、▽最優秀CCMアルバム賞、▽最優秀ルーツ・ゴスペル・アルバム賞の5部門。
ゴスペル歌手として40年以上活動するワイナンズはこのうち、「More Than This」で最優秀ゴスペル・アルバム賞を、テイラー・アガン、ケリー・ギャンブル、ロイド・ニックス、ジェス・ラスと共演した「That's My King」で最優秀CCM楽曲賞を受賞した。これにより、グラミー賞の受賞回数をゴスペル歌手としては最多の17回としたワイナンズは次のように語った。
「グラミー賞を受賞することは常に素晴らしい名誉ですが、人々を元気付け、鼓舞する音楽で評価されることは、さらに特別なことです。神様、チーム、そして音楽とメッセージを信じ続けてくれる素晴らしいサポーターに対し、感謝の気持ちでいっぱいです」
ワイナンズは昨年10月には、米国ゴスペル音楽協会(GMA)が主催する第55回ドーブ賞を3部門で受賞。自身の音楽活動を通して神をたたえたいと語り、若い信仰者たちに「神があなたがたに呼びかけている通りの人になるように」と励ましていた。
「神様は若者たちに、この世代にとって十分過ぎるほどの力を与えてくださっています。私は、神様は素晴らしい存在で、どの世代にも、その時代に必要な才能や賜物を授けてくださるのだと考えています。私はただ、若者たちにはありのままでいてほしい、あらゆる制約を取り払ってほしいと思います。神様は、あなたがたが想像する以上のところへ連れていってくださることでしょう」
その上で、CCMが「成長を続け」「世界を覆う」ことを望んでいると述べ、福音の「良き知らせを世界が聞く必要がある」と強調。「それが全てです」と語っていた。
その他のキリスト教関係部門では、ターシャ・コブス・レナード、エリカ・キャンベル、イズラエル・ホートンらが「One Hallelujah」で最優秀ゴスペル楽曲賞を、コリー・ヘンリーが「Church」で最優秀ルーツ・ゴスペル・アルバム賞を、DOEが「Heart of a Human」で最優秀CCMアルバム賞を受賞した。
最優秀CCMアルバム賞を受賞したDOEは、10代の頃に音楽グループ「フォーエバー・ジョーンズ」のリードシンガーとして世界的な注目を集め、2020年にゴスペル歌手でもあるジョナサン・マクレイノルズが手がける「ライフ・ルーム・レーベル」と契約。マクレイノルズは授賞式前のインタビューで、DOEのために「静かに祈っている」と言い、次のように述べていた。
「彼女は素晴らしい。本当に受賞してほしい。他の候補者は既にグラミー賞を受賞しているから大丈夫ですが、私は本当に彼女に受賞してほしい。それで祈っているのです。イズラエルはもうグラミー賞は不要です。ターシャ・コブスにも必要ありません。ですが、DOEにはぜひとも受賞してほしいのです。彼女は本当に素晴らしいのですから」
今年のグラミー賞では、ロサンゼルスの山火事被災者のために700万ドル(約10・6億円)以上の寄付金が集まった。また、CMの合間に山火事の影響を受けた地元企業が紹介され、授賞式の大トリとなる最優秀アルバム賞が、中には山火事で家を失った人もいるロサンゼルス郡の消防士らによって発表されるなど、被災者に対し特別な配慮が払われた。