チリの2021年の選挙は、19年の広範なデモの後に新たな章を開くことが期待されていた。これらの抗議活動は、数十年にわたる格差の拡大や生活費の上昇、民営化の進展、政治・経済エリートによる腐敗への不満から生じたものだ。
新たに選出されたガブリエル・ボリッチ大統領は、就任当時35歳で世界で2番目に若い国家指導者として注目された。彼の左派連合は、チリに異なるビジョンを投じ、進歩的な政策を打ち出しているが、これが一部の人々には期待を抱かせ、他の人々には不安をもたらしている。
ボリッチ大統領のもとで、チリは新憲法の策定を進め、社会的・経済的な問題に対処するための取り組みを続けている。しかし、依然として社会的不満や格差は残っており、特に教育や医療、年金制度に対する改革が求められている。
チリは、長く独裁政権を続けたピノチェトの影響を引きずっており、それを乗り越える必要がある。19年のデモがなぜ起きたのか、デモの影響がどれほど大きかったのか、為政者はこれを真摯(しんし)に受け止める必要がある。
今後も賢明な統治と持続可能な解決策が求められ、全ての人々に真の進展をもたらすことが期待されている。チリの未来に希望を持ちつつ、変革の道を進むことができるかどうかが、今後の重要な課題となるだろう。
課題の多い一方で、近年のチリでは、福音派の成長が目覚ましい。教会が社会的な問題に対応しつつ、多くの魂を勝ち取ることができるように祈っていただきたい。
■ チリの宗教人口
カトリック 62・15%
プロテスタント 20・93%
英国教会 0・12%
正教会関係 0・07%
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