世界福音同盟(WEA)が2025年10月に韓国・ソウルで開く総会の組織委員会が15日、発足した。組織委員会の共同委員長には、サラン教会のオ・ジョンヒョン牧師と汝矣島(ヨイド)純福音教会のイ・ヨンフン牧師が就任。汝矣島純福音教会系の日刊紙「国民日報」の社屋であるCCMMビルでこの日、発足感謝礼拝と記者会見が開かれた。韓国の基督日報(韓国語)などが伝えた。
礼拝は、韓国福音主義協議会(KEF)の会長である韓国中央教会のイム・ソクスン牧師の司会で行われ、イ牧師がテモテへの手紙二3章16~17節から「聖書の絶対権威」と題して説教した。その後、WEAのグッドウィル・シャナ議長兼執行委員長によるビデオメッセージが映し出され、WEAで議長を務めた経験のあるハレルヤ教会のキム・サンボク元老牧師が祝祷をささげた。
礼拝後にあいさつに立ったオ牧師は、「韓国の教会は140年にわたる宣教の歴史において、100年余りにわたって西欧の教会から支援を受け、純粋な福音のために借りを負ってきた」と指摘。「これからの100年は、韓国の教会が世界の教会のために借りを返さなければならないとき」と話した。
一方、韓国のキリスト教界内にWEAに対する懸念の声があることについては、「互いに異なる考えがあるかもしれない。さらに理解を深め、互いにコミュニケーションを取っていきたい」と話した。
その後、WEAのフランク・ヒンケルマン副議長があいさつ。また、ソウル神学大学のパク・ミョンス名誉教授が、この日配布された「WEAソウル総会の意味」と題した文書を朗読した。さらに、組織委員会とWEAによる協定の締結も行われた。
組織委員会企画委員を務めるサラン教会のチュ・ヨンジョン牧師は礼拝後に開かれた記者会見で、「WEAについて1年近く研究してきた。新聞や声明で(反対意見を)出された人たちには感謝している。そのような人たちは『同性愛はダメ』『宗教統合はダメ』という主張だ。結論として(WEAと)同じ側にある。対話はうまくいくと思う」と話した。
2013年に世界教会協議会(WCC)の総会が釜山(プサン)で開かれた際、韓国のキリスト教界の分断が一部で深刻化したことを踏まえ、WEAの総会が再び分断を招くのではないかとする質問も出た。
これに対しキム牧師は、「韓国の教会はWEAの中に公式会員がいない。韓国の教会が(WEAの総会開催を)決定したわけではない。WEAが要請したもので、ホストの役割をするだけだ」とし、「賛否はいつもある。これからも反対があるかもしれないが、そのために総会ができないわけではない」と話した。
韓国の代表的な改革主義神学者で組織委員会神学委員を務めるキム・ジェソン博士は、WEAの指導層に向けられた懸念、特にシャナ議長と新使徒運動(NAR)の関係については調査を行うと述べた。キム牧師はシャナ議長が住むジンバブエまで訪問して調査を行う考えを示し、支持できない人物であることが判明した場合は辞任すると話した。
また、WEAのトーマス・シルマッハー前総主事については、キム博士自身も懸念を抱いていたことを打ち明ける一方、既に辞任したことを強調。「もはや影響力を発揮したり、何か発言したりすることもない。韓国の神学委員たちがよく協力し整理して(総会までの)1年を準備する」と話した。
一方、CCMMビルの前ではこの日、WEAのソウル総会に反対する集会が開かれ、集まった人々がプラカードや横断幕を掲げて反対の声を上げるなどした。