未成年者への性的暴行罪で起訴された米テネシー州コロンビアの牧師が保釈後、地元の病院で拳銃自殺した。
死亡したのは、デイビッド・マーク・ベイカー・シニア牧師(57)。ベイカー牧師は9月10日、12歳未満の未成年者への性的暴行罪で起訴され、翌11日に20万ドル(約3千万円)の保釈金を支払い、保釈された。しかし、近くにあったモーリー地域医療センターのトイレで同日正午過ぎ、自らの胸部を銃で撃ち、死亡した。
モーリー地域医療センターのマーティン・チェイニー最高責任者(CEO)は、声明で次のように述べた。
「私たちは、今日の出来事に深く悲しんでいます。故人のご遺族やご友人、そして対応に当たった私たちのスタッフに祈りをささげます。モーリー地域医療センターでは、患者と医療チームのメンバーの安全と福祉を最優先にしています。警備チーム、救急スタッフ、コロンビア警察の迅速な対応に誇りを感じます」
これを受け、同州のマウントプレザント一般裁判所は13日、ベイカー牧師に対する公訴を被告死亡で棄却した。地元紙「メイン・ストリート・モーリー」(英語)によると、ベイカー牧師は10月9日に出廷する予定だった。
ベイカー牧師には、11人の子と11人の孫がいた。独立バプテスト・オンライン大学の副学長を務め、少なくとも2つの教会を設立しており、起訴時にはそのうちの1つであるファミリー・バプテスト教会を牧会していた。
葬儀会社が公開したプロフィール(英語)によると、高校卒業後に米陸軍に入隊し、第82空挺師団のパラシュート部隊に所属。1988年に退役した後、献身。バプテスト系のハイルズ・アンダーソン大学(インディアナ州)で学士号(牧会学)と修士号(教育学)を取得。2024年には、博士号(神学)も取得していた。
ベイカー牧師の死を悼む声がある一方、批判する声も上がっている。
ベイカー牧師が設立したもう1つの教会であるライトハウス・バプテスト教会に通っていた元教会員のエイミー・スパイアーズさんは、米フォックス系の地元テレビ局「WZTV」(英語)に対し、次のように語った。
「彼には神聖なところなど何もありませんでした。彼は羊の皮を被った狼(おおかみ)でした。私は怒りを覚えます。なぜなら、被害者がどれほどいるのか、どれほどの少女たちが被害に遭っているのか、想像もつかないからです」
葬儀は米陸軍関係者の参列のもと、17日に執り行われ、ベイカー牧師は同州サンタフェのゴーシェン墓地に埋葬された。