国際NGOワールド・ビジョンは、ジュネーブで開かれている国連人権理事会の会合で11日、現状の取り組みのままでは子どもたちの健康と医療に関して深刻な問題が残るとして具体的な改善を世界各国に求めた。
同団体のジェニファー・フィリポーニッセン氏は会合で、世界で年間920万人もの5歳未満の子どもたちが予防可能な原因で死亡していることを報告。途上国での劣悪な保険システムや衛生状況がいまだ改善されていないことを指摘し、現状のままではミレニアム開発目標(MDGs)の目指す水準を達成できないと危機感を示した。
各国には具体的に、▼先進国が約束した援助を拠出すること、▼政府が保険医療サービスへの予算分配を増やすこと、▼さらなる危機感をもって安全な水と衛生環境の提供に努めること、▼栄養や感染症予防などに関する教育を提供すること、を求めた。
特に、昨今の経済不況によって子どもたちの健康を守る取り組みが遅れてはならないことを強調。各国に対して、すべての子どもたちがアクセス可能な基本的な保健サービスの確保を最低限の責任として果たすべきだと要求した。