1966年に一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、半世紀以上無実を訴えているカトリック信徒の袴田巌(はかまだ・いわお)さん(88)の再審公判が26日に判決を迎えるのを前に、日本カトリック正義と平和協議会が17日から25日まで、無罪判決などを求めて祈るよう呼びかけている。
同協議会は公式サイトに特設ページを開設。判決前日までの9日間、毎日夜9時から約10分間祈るよう呼びかけている。日ごとに違う祈りの課題を設けており、初日の17日は袴田さんのため、18日は袴田さんを長年支えてきた姉の袴田秀子さん(91)のための祈りを用意。この他、犯罪被害者や遺族、死刑囚、死刑廃止、冤罪(えんざい)に苦しむ人のために祈る日もある。最終日の25日は、オンライ会議システム「ZOOM(ズーム)」を用いて、袴田さんの無罪判決を求めて共に祈りをささげる。
袴田さんは死刑が確定した後の84年のクリスマスイブに、獄中で教誨師の故・志村辰弥神父から洗礼を受けた。獄中では聖書を読んでは祈っていたという。92年には、獄中で書きつづった潔白の訴えと再審を願う祈り、家族への思いなどが支援団体の編集でまとめられ、『主よ、いつまでですか』として出版されている。