人から相談を受けることがあります。その時心がけるのは、その問題を自分事として向き合いながら聞くことです。同時に、神様はどのように解決したいと願っているかを祈りながら答えます。
悩みの渦中にあるとき、自分一人だけでそこから抜け出すことは、なかなかできないものです。そこで助けになるのが、自分の苦しい気持ちや傷ついた感情に寄り添ってもらうことです。そうして感情の領域に慰めが与えられ、心が癒やされると、正常な判断ができるようになり、自分の足で立ち上がっていけるものです。
しかし、これが難しいのです。他人の問題に対しては、心の痛みや感情の傷を感じにくいからです。そこで、自分が過去に痛み、悲しみ、傷ついた体験が役に立ちます。思えば、私は「ここまでも!」とばかりにたくさんの傷を受け、悲しい経験をしてきました。その経験を通して神様が与えてくださった慰めをもって、今度は他の人を慰めることができるのです。
「神は、どのような苦しみのときにも、私たちを慰めてくださいます。こうして、私たちも、自分自身が神から受ける慰めによって、どのような苦しみの中にいる人をも慰めることができるのです。それは、私たちにキリストの苦難があふれているように、慰めもまたキリストによってあふれているからです」(2コリント1:4、5)
もし人から嫌な思いをさせられたとしたら、神に感謝してください。人を助けるための種が与えられたからです。しかし、もしあなたが傷んでいるだけなら、それは人を慰める力にはなりません。慰めてもらいたい立場にずっと留まるのではなく、神様からの慰めを祈り求め、その慰めを受け入れてください。時間はかかりますが、徐々に心は慰められ、回復し、元気になります。
世の中は悩んでいる人ばかりです。その人々を助けることができるというのは、何と幸いなことでしょう。神様が下さったつらく悲しい経験と、それを通して与えられた神様の慰めに感謝します。
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