中米ニカラグア政府は、8月29日発行の官報「ラ・ガセタ」(スペイン語)で、ニカラグア福音同盟を含む169の非営利団体の登録取り消しを発表した。半数以上が宗教関係の団体で、ダニエル・オルテガ大統領による強権的な独裁政権の下、宗教弾圧がますます強まっている。
ニカラグア政府は、同19日には1500、同22日には151の非営利団体の登録取り消しを発表しており、今回はそれに続くもの。国際人権団体「世界キリスト教連帯」(CSW、英語)によると、2018年以降に登録を取り消され、法的地位を剥奪された非営利団体の総数は5552に上る。
今回登録が取り消された169の非営利団体のうち、92は宗教関係。CSWによると、ニカラグア福音同盟のほか、400年以上の歴史があるニカラグア聖公会や、1847年に設立されたニカラグア・モラビア教会など、同国で最も歴史のある2つのキリスト教派も含まれている。この他、バプテスト派、長老派、改革派などのプロテスタント諸教会、さらにイスラム教の団体も対象となった。
ニカラグア政府は非営利団体に対し、テロやマネーロンダリング対策を名目に厳しい財務報告を求めており、報告の不備を登録取り消しの理由としている。CSWによると、登録を取り消された非営利団体は、土地や建物、家具など、全ての財産を接収される。