全国のキリスト教書店の店員が選ぶ「キリスト教書店大賞2024」の結果が1日、公式フェイスブックで発表され、ノンフィクション作家の最相葉月氏による『証し』(KADOKAWA)が大賞に決まった。
『証し』は、最相氏が2016年から22年にかけて、小笠原諸島の父島や奄美大島などの離島を含む全国各地を巡って、135人のキリスト者にインタビューし、まとめたもの。千ページを超える大著で、正教会からカトリック、聖公会、プロテスタントまで、さまざまな教派の人に話を聞いている。
最相氏は受賞の言葉で、「投票してくださった書店員の皆様、ありがとうございます。6年間の取材でお預かりしたキリスト者の言葉一つ一つを改めて思い起こし、皆様のご推薦を力にさらなる未来にお届けできることを心から感謝申し上げます」と述べた。
2位には望月麻生氏(日本基督教団足利教会牧師、足利みどり幼稚園園長)らの『保育者の祈り』(日本キリスト教団出版局)が、3位には小見のぞみ氏(関西学院短期大学教授)の『非暴力の教育』(同)が選ばれた。
同賞は、低迷するキリスト教出版業界の活性化を目的に2011年に始まった。主催のキリスト教出版販売協会に加盟する全国のキリスト教書店の店員が、前年に出版されたキリスト教書の中から、1次選考でノミネート作品10点を選び、2次選考で大賞を決めている。
過去には、平良愛香氏(日本基督教団川和教会牧師)が監修した『LGBTとキリスト教』(23年)、奥田知志(ともし)氏(日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会牧師)の『ユダよ、帰れ』(22年)、片柳弘史氏(カトリック宇部教会司祭)の『やさしさの贈り物』(21年)などが大賞に選ばれている。