東京基督教大学(TCU、千葉県印西市)は1日、新学長に篠原基章教授が就任したとホームページで発表した。篠原氏は現在48歳で、同大史上最年少の学長となる。また、篠原氏は1997年に同大を卒業しており、同大の卒業生が学長に就くのはこれが初めて。7月23日の理事会で決定した。就任は1日付。任期は4年。
同大は新学長就任を受け、大幅に若返ったリーダーシップにより、厳しい財政と学生募集の立て直しを図り、理事・教員・職員が一つのチームとなって大学改革に取り組むと表明。教会と社会に仕える多様なビジョンを持った学生や日本宣教を志す学生が世界中から集まる大学を目指すとしている。
篠原氏は75年生まれ。97年同大神学部国際キリスト教学科卒業。日本国際飢餓対策機構(現ハンガーゼロ)の働きを経て、共立基督教研究所共立研修センター専門研修課程神学哲学専攻、米カルバン神学校修士課程組織神学専攻、米トリニティー神学校博士課程宣教学専攻修了。専門は宣教学。
2013年同大神学部助教、17年同准教授、22年同教授。同大では、「宣教学」「現代における宣教と教会」「キリスト教と文化」「異文化理解」「平和学」などの授業を担当。男子寮主事、学生部長、国際宣教センター長などを歴任した。
日本国際飢餓対策機構理事、日本ローザンヌ委員会委員、日本地区アジア神学協議会(ATA/J)書記、日本宣教学会『宣教学ジャーナル』編集委員。また、昨年3月までは日本福音同盟(JEA)神学委員会委員も務めていた。
福音伝道教団館林キリスト教会(群馬県館林市)所属。現在は、同大から車で約30分の日本同盟基督教団八千代聖書教会(千葉県八千代市)に出席している。
同大は当初、4月から朝岡勝前理事長が理事長と学長を兼任し、リーダーシップを一元化することを計画していた。しかし、朝岡氏が3月、健康上の理由で辞任。廣橋信一理事が新理事長に就任し、新学長が決まるまでの期間、山口陽一前学長が学長代行を務めていた。
同大は7月30日、新学長就任の発表に先立ち、朝岡氏の理事長辞任の経緯を説明する文書を発表している。
それによると、昨年8月に理事長・学長の兼任計画を発表して以降、朝岡氏は次期学長としてさまざまな改革に着手したが、激務が続き、昨年12月ごろから体調を崩し休養に入った。理事会は1月、朝岡氏に3月で理事長を辞任するよう求めることを決定。朝岡氏はこの決定を受け、3月に理事長を辞任した。一方、朝岡氏の学長就任については継続して検討したという。しかし、審議の結果、最終的には新学長候補を立てることにした。
文書は一連の経緯を説明した上で、「この間、関係者・支援者の皆様には、多大なご心配をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます」と謝罪。朝岡氏に対しては、21年に理事長に就任して以来、財務体質の転換や経年課題の解決などに尽力してくれたとして感謝を表明した。
一方、理事長・次期学長として多大な負担をかけながら、「適切にお支えすることができなかった」として、謝罪の言葉も述べた。理事長辞任の要求についても、「本人との合意形成が不十分なまま」行われた対応で、さらなる心労を強いることになったとして遺憾を表明し、謝罪した。