伝道者として今も国内外で活躍する有賀喜一牧師の90歳現役・宣教66年を記念する祝賀激励会が20日、大阪市のホテルで開かれ、全国から約340人が参加した。教団教派を超えて全国の牧師ら有志が発起人となり、有賀牧師に尊敬と感謝の思いを伝え、慰労と励ましの時になればと企画した。国内外の牧師らが祝福の言葉を述べる中、有賀牧師は「全ては主の恵みです。全ての栄光を主にお返しします」と述べるとともに、人生の最後まで現役の伝道者として歩む意気込みを語った。
有賀牧師が最も尊敬する牧師として慕うスティーブン・ケイラー牧師(ホープチャペル)がメッセージを語った。ケイラー牧師は、当時中学2年生だった有賀牧師がスウェーデン人宣教師から明確な福音のメッセージを聞いて回心したことに触れ、「日本に遣わされた数多くの宣教師に対し、あなたは立派な恩返しをしてくださっています」と感謝を伝えた。
バプテスマのヨハネについてイエスが証言した言葉「燃えて輝くともしび」(ヨハネ5:35)は、有賀牧師にも当てはまるとし、「輝かしいヒーロー」と題して、有賀牧師がこれまでの信仰生涯で示してきた8つの特徴を挙げた。
第1は「イエス・キリストの福音を大胆に伝えてきたヒーロー」。「福音を恥とは思わない。なぜなら福音こそ、神の力である。それを有賀先生が示してくださいました」と語り、「イエス・キリストの福音が、日本の救いの秘訣です」と強調した。
第2は「喜びにあふれ、情熱をもって神と人に仕えてきたヒーロー」。第3は「キリストの品性を妥協せずに示してくれたヒーロー」。「全き献身、誠実な働き。忠実に主に仕えてきた。そして、誰でも近寄れる謙遜な主の器であることを感謝します」と語った。
第4は「悔い改めと和解の働きを進めてきたヒーロー」。有賀牧師による悔い改めと和解の働きは国内外にわたるとし、「イエス様がヨハネ17章でささげた祈りに、先生が応えてくださっていることを私たちは知っています」と証しした。
第5は「健全な聖書神学を忠実に教えてきたヒーロー」。関西聖書神学校やリバイバル聖書神学校の校長を歴任し、今も次世代の教育に貢献し続けているとし、「オーソドックスな聖書の神学こそがリバイバルの原点であり、リバイバルを永続させます。それを私たちに教えてくださってありがとうございます」と話した。
第6は「日本の大リバイバルを熱心に求めてきたヒーロー」。「この日本の国に、今こそリバイバルが始まっていることを信じます。この国は救われます。神の栄光を現す国になることを信じます」と強調した。
第7は「決して諦めず、全てを耐え忍び、今日までやり続けてきたヒーロー」。「77年間の信仰生活、66年間の献身生活の中で、数多くの問題や戦い、試練があったに違いありません。でも、耐え忍びました。輝かしいヒーローです」と語った。
第8は「常に神をあがめ、全ての栄光を主イエスにささげてきたヒーロー」。「14歳の青年を救ったイエス様を、私たちはあがめます。有賀先生に召しを与え、賜物を与えた神様に、私たちは栄光をささげます」と話した。
最後に詩篇118篇23節「これは主のなさったことだ。私たちの目には不思議なことである」を引用し、「神の恵み、神の業です。神様が私たちに与えた、天国を現すキリスト者として輝いてきた有賀喜一です」と証しした。その上で、そのようなキリスト者が日本にあふれるように、また、そのようなキリスト教指導者が日本の教会にあふれるように共に祈りたいと呼びかけた。
メッセージの後には、発起人の代表らが有賀牧師夫妻に手を置き、会場全体で祝福を祈る時を持った。続けて、国内外の牧師らが祝辞を述べた。
村上好伸牧師(カリスチャペル)は、「神様が先生に賜物を与え、支えてくださった66年であり、90歳を迎えて元気に仕えておられる恵みを心から感謝します」と述べ、「神様は私たちにも同じようにそれぞれ賜物を与えてくださる。有賀先生ご夫妻を尊敬するように、私たちお互いを尊敬し合う日でありたい」と話した。
大久保みどり牧師(主イエス・キリスト教会)は、今も毎週のように国内外のさまざまな教会で福音を伝える有賀牧師の宣教を振り返るとき、「本当に感謝でたまらない」と話した。「先生の語る御言葉を通して、日本の教会が一つに、また世界の教会が一つになっている。伝道者の働きの素晴らしさ、大切さを深く考えさせられる」とし、「尊いお働きがますます広げられていきますように」と語った。
伊藤嘉子牧師(白い家フェローシップチャーチ)は、2000年に東京で開かれた聖会で、極度の体調不良にもかかわらず、有賀牧師が講壇で堂々と福音を語る姿を間近で見た思い出を語り、「私もそこで献身を新たにするような、忘れることのできない経験をさせていただきました」と証しした。「自分の命よりもイエス・キリストを愛する心、そして自分の命を顧みず、宣教に励むその姿はまさしく、たいまつのような聖霊による油注ぎによるもの」と語り、「先生に倣い、この終わりの時代にリバイバルのたいまつを燃やしながら、日本の宣教に命を懸けて頑張ってまいりたい」と話した。
最後のあいさつで有賀牧師は、以前持っていた「美しく消える」という人生のモットーを「最後までやり切る」に改めたエピソードを語り、「引退は、新しい挑戦の始まりです」と強調した。神学生時代にガラテヤ書2章19、20節の御言葉を通して自我に死に、それ以後はゼカリヤ書4章6節の御言葉によって「万事聖霊」「万事祈祷」の原則に徹底した人生を歩んできたと証しし、「できないということは言えない人間になった。私を強くしてくださる方によって、どんなことでもできます」と力を込めた。
また、江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎の晩年の画号が「画狂老人」であったことを紹介。使徒パウロがそうであったように「伝道に狂う、霊的戦いをする『伝狂戦士』であります。狂っていきます」と、生涯現役のリバイバリストとしての意気込みを力強く語った。
この日は、有賀牧師が大使を務めるアジアンアクセスジャパンから、理事長の小平牧生牧師(ニューコミュニティ)やナショナルディレクターの播義也牧師(恵泉キリスト教会埼京のぞみチャペル)らが参加。アジアンアクセス(A3)のフィリップ・フォックスウェル国際理事長も祝辞を述べ、有賀牧師への感謝の印として記念品の盾を贈呈した。
発起人からは、能登半島地震の被災地を応援する意味も込め、輪島塗の夫婦茶碗と夫婦箸が記念品として贈呈された。
ステージでは、京都グローリーチャーチの聖歌隊がオープニングの賛美をささげ、Zawamekiが賛美リードを務めた。韓国出身の音楽宣教師で歌手のチェ・ドクシンと、牧師が父の3人兄弟によるユニット「イーワイエス」が特別賛美をささげたほか、京都グレースバイブルチャーチと神戸キリスト栄光教会の合同チームがタンバリン演舞で主を賛美した。村上愛信牧師(カリスチャペル)と市川牧牧師(神愛キリスト教会)が司会を務めた。