ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)の親善大使である福音歌手の森祐理さんと、ゴスペルシンガー・ソングライターの白鞘慧海(しらさや・えみ)さんが、5月中旬から6月上旬にかけ、能登半島地震の被災地を訪れ、慰問コンサートを行った。
2007年の能登半島地震でも被災地でコンサートを開いた森さんは、1月に発生した今回の地震では、既に3月に一度、被災地の福祉施設などでコンサートを開いており、被災地を訪れるのは今回で2回目。5月10~13日の4日間にわたり、石川県の輪島市、小松市、七尾市、中能登町を訪れ、福祉施設や教会で歌と慰めの言葉を届けた。
ハンガーゼロの報告によると、5月10日は、輪島市門前町の総持寺通り商店街駐車場に特設ステージを設置して「青空コンサート」を開催。近隣の自宅や仮設住宅、避難所で生活している約70人が参加した。参加者の中には、17年前に開いた森さんのコンサートに参加した人もいたという。
コンサートでは、森さんが名誉会員となっている茨木ロータリークラブ(大阪府)の会員らも駆け付け、たこ焼きや綿菓子を振る舞った。また、「全国友の会」から提供された手作りのクッキーや、パン・アキモト(栃木県)から提供されたパンの缶詰「救缶鳥」を配布するなどした。
11日は、森さんの後援会「メロディ会」の北陸のつどいが主催する形で、小松市の日本基督教団小松教会を会場にコンサートを開いた。ほぼ満席となる約90人が参加し、中には地震で親戚を亡くし、涙を流しながら森さんの歌を聞く人もいたという。
日曜日の12日は、七尾市の七尾聖書教会を訪問。午前の礼拝は、森さんのコンサート形式で行われた。教会併設の保育園からも園児と保護者ら25人近くが参加し、90人を超える人で会堂は満席に。子どもたちと一緒に童謡を歌う場面もあったという。午後にはオープン形式のコンサートを行い、高齢者を中心に40人以上が参加した。
13日は、中能登町の福祉施設「つばさの会」を訪問。100人を超える利用者と共に楽しいひとときを過ごした。つばさの会は、ハンガーゼロの支援教会である羽咋(はくい)聖書教会(羽咋市)の永井仁志牧師が継続的に支援をしてきたことから、今回のコンサート開催につながったという。
白鞘さんは6月4日、3月に森さんが訪れた輪島市門前町の介護保健施設「もんぜん楓(かえで)の家」でコンサートを開いた。夫の谷口卓嗣牧師(上野芝キリスト教会=堺市)もギターと音響担当として同行し、一緒に演奏。入居者約30人が、白鞘さんの軽快なテンポの歌や賛美歌を楽しんだ。
輪島市ではコンサート開催3日前の3日朝、震度5強の地震が発生した。もんぜん楓の家の職員は、「少し不安になっていましたが、白鞘さんの歌で心が落ち着きました」と話してくれたという。白鞘さんはこの他、5日には七尾聖書教会でコンサートを行った。
ハンガーゼロは、能登半島地震の緊急募金を現在も行っている。寄付は、郵便振替(記号番号:00170・9・68590、加入者名:日本国際飢餓対策機構、通信欄に「能登地震」と明記)とウェブサイト(クレジットカード、コンビニ決済)で受け付けている。