岐阜県笠松町円城寺の専養寺で8日、江戸時代に実際に使われていたとされる踏み絵とマリア観音像の実物を公開した。岐阜新聞などが伝えた。
住職によると、踏み絵は昨年10月、本堂の東にある住宅の屋敷で発見。観音像は、首が破損したまま応接間に置かれていたものを修復したという。
踏み絵は、江戸時代に当時禁教とされていたキリスト教の信者を探し出すために幕府が使用していたもの。絵踏を拒んだ場合はキリスト教徒とみなされ、逮捕、処罰の対象となった。マリア観音像とは、隠れキリシタンが幕府からの弾圧を逃れるために聖母マリア像を観音菩薩像に似せて造ったもの。
公開された踏み絵には赤子のイエスを抱いた聖母が彫られているが、現存する多くの踏み絵と同じく表面は磨耗している。大きさは縦18センチ、横13センチ、厚さ2センチ。観音像は、高さ約25センチの陶製で、一見普通の観音像に見えるが、よく見ると鼻が高く面長で西洋人風の顔立ちになっている。
同寺によると、いずれも先代の住職が誰かから預かったとだけ伝えられており、造られた年代ははっきりしていないという。
踏み絵と観音像は、今後も毎月8日に同寺で公開される。