ロシア語同時通訳者で歌手のニキータ山下さん(本名・山下健二=やました・けんじ)が5月26日未明、急性骨髄性白血病のため東京都内の自宅で死去した。86歳だった。時事通信などが伝えた。
1937年、旧満州時代の中国東北部ハルビン生まれ。日本人の父とロシア系の母の間に生まれ、日本語とロシア語を話せた。ロシア歌謡などを中心とした日本の男性コーラスグループ「ロイヤルナイツ」で、テナーやバリトンを担当。『夕空の鶴:ニキータ山下オーラル・ヒストリー』によると、1960~70年代に人気を博したロイヤルナイツは、当時の旧ソ連ではアイドル的存在で、ミハイル・ゴルバチョフ元大統領も山下さんのファンだったという。
NHKの「ロシア語講座(現・ロシア語会話)」には約四半世紀にわたって出演した。
正教徒で、埋葬式が5月29日、日本正教会の東京復活大聖堂(通称・ニコライ堂)で行われた。