数年前の統計だが最近、英国で10代の若者が楽しんでいることの第1位は、ユーチューブの動画鑑賞だという。ユーチューブは若者の生活において非常に重要なのである。
ブリティッシュ・ユース・フォー・クライスト(British Youth For Christ)が発表した「文化の再考」という調査では、2千人の若者(信仰を持つ、持たないを問わず)に、彼らの娯楽や影響を受けているものについて尋ねている。「余暇にどのような活動や趣味を楽しんでいますか」という質問に対しては、回答者の81%が「ユーチューブの動画を見る」と答え、最も人気のある答えとなった。そして4分の3が、毎日この活動をしていると答えており、コンテンツを見たり、共有したり、作ったり、キュレーション(特定のテーマや興味について配信すること)をしたりしているというのだ。
フォロワーが激増すると、ある者は一夜にしてスターになり、ファンからポップスターのように扱われることもある。そのため、大きな支持を集めるユーチューバー(配信者)は、同調査の「若者に影響を与える要因」のリストで顕著な存在感を示しているのだ。
若者を対象としたミニストリー「ユースケイプ(Youthscape)」が、ユーチューブを用いて神の言葉を伝えるのには正当な理由がある。
「私たちは、若者たちがオンラインで友人たちに働きかけるのを助ける必要があります」と同ミニストリーディレクターのマーティン・サンダース氏は言う。その第一歩としてユースケイプは、情熱と才能を持ち、より良いコミュニケーションとビデオのスキルを学びたい16~19歳の若者を対象としたサマースクール「シェア(Share)」を運営しているという。
私たちの語る福音のメッセージは、時間や地域、文化によって変化を受けない普遍的なものだ。しかし、福音を伝える手段はそうではない。パウロの時代には、対面や口頭、人づて、また書簡などが用いられた。しかし現代は、もはや一人一人が放送局のようにブロードキャストできる時代だ。才能のある者は大いにこれを用いて福音の言葉を伝えることができるのである。
しかし、たとえどんなに時代が移り変わり、手段は変わっても、その命の言葉は決して色あせない「あの旧い旧い福音の言葉」なのである。英国をはじめ、世界中で積極果敢にチャレンジされているSNSを用いた伝道が、いよいよ終末的な大きな収穫につながるよう祈っていただきたい。
■ 英国の宗教人口
英国教会 36・2%
プロテスタント 8・3%
カトリック 8・6%
無神論 34・5%
正教 1・1%
ユダヤ教 0・4%
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