国際基督教大学(ICU)元学長で名誉教授の鈴木典比古氏(78)が、2024年春の叙勲で瑞宝中綬章を受章した。13日に皇居で勲章の伝達式が行われた。
鈴木氏は経営学が専門。米ワシントン州立大学助教授、同准教授、米イリノイ大学助教授などを経て、1986年ICU準教授、90年同教授。ICUでは、国際関係学科長、学務副学長を歴任した後、2004年から2期8年、学長を務めた。退任後、同名誉教授。その後、大学基準協会専務理事、国際教養大学理事長・学長を経て、現在杏林大学理事・客員教授、広島県公立大学法人理事長。
鈴木氏は受章を受け、教員生活が米国で13年、日本で38年の計51年になることに触れ、「このように長く続けられたのも、研究・勤務環境が良かったこと、互いに励まし合える仲間がいたこと、妻の支えがあったことなどが大きな要因です」とコメント。その中でも、26年と教員生活の半分以上を過ごしたICUに特に謝意を表すとともに、「私を見守ってくれた神様に心から感謝いたします」と述べた。
鈴木氏が受章した瑞宝章は日本の勲章の一つで、旭日章と共に、国や公共に対し功労のある個人に授与される。旭日章は各分野で顕著な功績を挙げた個人が対象となるのに対し、瑞宝章は公務などに長年従事した個人が対象となる。
両章とも、大綬、重光、中綬、小綬、双光、単光の6等級があり、鈴木氏が受章した瑞宝中綬章は3等級。24年春の叙勲ではこの他、上智大学などを運営する上智学院元理事長で同大名誉教授、カトリック麹町聖イグナチオ教会主任司祭の髙祖敏明氏が旭日重光章を受章している。