北アイルランドの英軍基地前で7日夜、英兵2人が何者かに射殺された事件で、武装組織アイルランド共和軍(IRA)の過激分派「真のIRA」を名乗る者が8日、犯行声明を出した。
事件は7日午後9時半ごろ、北アイルランドの中心都市ベルファストから北方約25キロに位置するアントリムの英軍基地で起こった。英メディアによると、基地正門近くに配達されたピザを兵士らが受け取りに出た際に発砲音がしたという。英兵2人が死亡、英兵2人と民間人2人が重傷を負った。英国防省によると、犯人は少なくとも2人だという。
2月には英軍基地近くで爆薬を積んだ車が見つかるなど反政府勢力の動きが活発化しており、地元警察は今月、英特殊部隊の派遣を要請していた。
北アイルランドでは1968年前後から、アイルランドへの復帰を求める少数派カトリック系住民と、英国統治を望むプロテスタント系住民との対立が激化。98年の和平合意までに3000人以上の犠牲者が出た。
「真のIRA」は、停戦合意に不満を抱く強硬派メンバーがIRAから分派して97年に結成。98年のオマーでの爆発テロでは、29人の市民が死亡。北アイルランドをめぐるテロの中で最悪の事件となった。