体験談を装い、本紙を反社会的な団体とする内容を発信していた匿名ブログの記事を、SNSで引用し拡散していたクリスチャン新聞編集顧問の根田祥一氏に対し本紙が起こした訴訟で、東京地裁は22日、根田氏の行為を本紙の名誉を毀損する不法行為と認め、50万円の損害賠償を支払うよう命じる判決を言い渡した。
問題のブログは2019年ごろに開設され、本紙を反社会的な団体だとする事実に基づかない内容を発信していた。そのため本紙は同年、ブログの運営元に対し、発信者の情報開示を求めて提訴。東京地裁は、ブログの記事について、攻撃的・侮辱的な表現を用いており、さらに発信者は「他人から聴き取った内容であるにもかかわらず、体験談を装って」記事を作成していたとして、本紙を「攻撃する目的がうかがわれるものといわざるを得」ないと指摘。本紙の名誉を毀損するものだと認め、情報開示を命じた。
その結果、ブログの発信者は、本紙元従業員の男性であったことが判明。本紙が損害賠償を求めて提訴したところ、男性は、ブログの記事が「事実無根の表現を多数用いて貴社(本紙)の名誉、信用を著しく毀損するものであったことを認める」とともに、真摯(しんし)に反省するとして謝罪。今後、同種の表現活動をしないことを約束するなどし、本紙と和解した。
一方、男性が体験談を装って発信していたブログの記事についてはいずれも、根田氏が自身のSNSで引用。「決定的な証言が掲載されました」などと自身のコメントも添え、拡散していた。そのため、本紙は21年に根田氏を相手取り、損害賠償を求めて提訴していた。
本紙は根田氏に対し、さらなる法的措置を検討している。