ギネス世界記録により、2022年2月4日に112歳と253日で、存命中の世界最高齢の男性と認定され、以来、存命中の世界最高齢の男性であり続けたフアン・ビセンテ・ペレス・モラさんが2日、南米ベネズエラ西部タチラ州で死去した。114歳と311日だった。敬虔なカトリック信者であるペレスさんは生前、長生きの秘訣について、「神を愛すること、そして常に神を心に抱くこと」と語っていた。
ペレスさんは1909年5月27日、タチラ州エルコブレで10人きょうだいの9番目として生まれた。10歳の時、通っていた学校の教師が病気になったため、5カ月しか正式な教育を受けられなかった。しかしその後も、教師からもらった本で読み書きを学んだという。
ペレスさんは農業に従事しながら、48年から58年には、同州カリクエナで保安官として土地紛争や家族間紛争の解決に当たった。
妻のエディオフィナ・デル・ロサリオ・ガルシアさんとは38年に結婚し、彼女が97年に亡くなるまで共に暮らした。2人の間には6人の息子と5人の娘ができ、結婚生活は60年近くに及んだ。42人の孫、18人のひ孫、12人の玄孫(やしゃご)を持つペレスさんにとって、家族は中心的な存在だった。
ペレスさんのおいのフレディ・アブレウさんは2022年、カトリック系のCNA通信(英語)に、「ビセンテおじさんは、多くの平安と静けさをもたらしてくれる人で、また、多くの喜びを放っている人です」と語っていた。
「彼は与えるものをたくさん持っている人です。彼は人生の単純なことを楽しみ、神にとても感謝しています」
毎日2回、ロザリオの祈りを祈るというペレスさんは22年、ギネス世界記録のインタビュー(英語)に、長生きの秘訣について、「よく働き、休日は休み、早く寝ること、毎日アグアルディエンテ(サトウキビの蒸留酒)を一杯飲むこと、神を愛すること、そして常に神を心に抱くこと」だと語っていた。また、「勤勉で、妻と信仰に忠実な男」として記憶されることを望んでいた。
ペレスさんの死後、ベネズエラの政治指導者たちが賛辞を送った。
タチラ州のフレディ・ベルナル知事は、X(旧ツイッター、スペイン語)に次のように投稿した。
「親愛なるフアン・ビセンテ・ペレス・モラさん、今日、私たちは深い悲しみと痛みをもって、謙虚で、勤勉で、平和的で、家族と伝統に熱心なタチラ州を代表する男であるあなたに、お別れを告げます」
「私は妻と子どもたちと共に、喜びと誇りをもってあなたに会い、あなたの愛する人たちと分かち合いの時を持ちました。私のビセンテおじいさん、私たちはあなたの人生における楽観主義、信仰、希望、そしてわれらがタチラ州に対するあなたの深い愛情を、いつまでも忘れないでしょう」
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領もまた、X(スペイン語)に次のように投稿し、哀悼の意を表した。
「フアン・ビセンテ・ペレス・モラさんは114歳にして永遠の世界へと旅立ちました。彼の家族と、タチラ州エルコブレの全ての人々に抱擁と哀悼の意を表します。神が彼を聖なる栄光の中にお迎えくださいますように」