カトリック札幌教区は19日、所属するパリ外国宣教会の指示により2022年に緊急帰国したリッタースハウス・フィリップ神父が、フランス人男性から不同意性交で告発され、現在フランスで調査中であることをホームページで公表した。
札幌教区は、フィリップ神父が告発された情報を帰国後に入手。パリ外国宣教会に対し報告を求めているが、具体的な回答や情報開示はなく、明確な事実確認ができない状況だという。裁判などはまだ始まっておらず、今後の行方は不明としている。
一方、告発した男性とは数回の面接のほか、メールで何度も対話を重ねてきたという。これまで明確な事実確認ができないことから公表を控えてきたが、男性の希望もあり、経過をありのまま公表すべきと判断したとしている。
男性はフィリップ神父が担当した小教区(教会)を訪問し、自身の現状を訴えているという。札幌教区は信徒らに対し、これまでの経過を理解した上で、必要であれば同教区本部事務局に連絡するよう求めている。
地元紙の過去の報道によると、フィリップ神父は少なくとも19年11月から20年6月まで、カトリック湯川教会(函館市)を担当していた。
札幌教区は、今後も男性に寄り添いつつ、同教区を管轄する東京教区管区とも連携しながら、パリ外国宣教会に対し、速やかな情報公開を求めていくとしている。
パリ外国宣教会は、海外宣教に専心するカトリックの在俗司祭による男子宣教会で、1660年代初頭にフランスで組織された。極東・東南アジアが主な宣教地で、日本の宣教においても大きな貢献をした。国宝の大浦天主堂(長崎市)を建て、潜伏キリシタンの発見(信徒発見)に立ち会ったベルナール・プティジャンや、初代東京大司教を務めたピエール・マリー・オズーフらが所属していた。