自らを大学の准教授だと名乗る男が、教会や皇居、寺院などから交通費名目で現金を騙し取る事件が発生している。すでに東京都内を中心に10件以上の苦情が寄せられており、被害額は1件1〜2万円程度であるが、中には数百万円を騙し取られたケースもあるという。
TBSの報道などによれば、横浜市金沢区の教会で昨年12月、新潟大学文学部の准教授で「アオヤマ ユウスケ」と名乗る35〜40歳と見られる男が、同教会の関係者に「財布をなくしてしまったので、新潟に帰るための金を貸して欲しい」などと偽って、現金約2万円を騙し取ったという。
男は、キリスト教の歴史などに詳しく、教会の関係者らには架空の電話番号や大学の住所を伝えて、「新潟に帰れば返す」などと言って信用させていたという。
同様の被害は今月2月までに、皇居や東京の増上寺や寛永寺でもあり、その数は10件以上。教会での被害と同様に、男はその都度、その場にちなんだ歴史の知識を披露、東大出身などと言い、相手からの信用を得るようにして現金を騙し取っている。
新潟大学は、人文学部をはじめ同大内の全教員の中には「アオヤマ ユウスケ」という人物は在職していないとし、同様の被害に遭わないよう注意を呼び掛けている。また、同様の被害にあった際は警察及び、同大の広報室(電話:025・262・7000、FAX:025・262・6539、メール:[email protected])へ連絡するよう呼び掛けている。