日本キリスト教協議会(NCC)の金性済(キム・ソンジェ)総幹事は7日、「イスラエル政府に即時停戦と外交協議を訴える国会決議を求める要望書」を、岸田文雄首相に送付した。
金氏は要望書で、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」が行った10月7日の奇襲攻撃に対する報復として、イスラエル軍が同地区に対して行っている攻撃により、1万6千人以上が死亡し、そのうち7千人以上が子どもとされていることに言及。「これはもう反撃でも自衛戦争でもなく、21世紀のジェノサイド(大虐殺)と呼ぶほかありません」と非難した。
また、同地区の人口220万人のうち、約8割に相当する約190万人が「住居を破壊され、安全な逃げ道さえ保障されない過酷な逃避を余儀なくされている」と指摘。1日に一時休戦が7日間で終わって以降、同地区の犠牲者がさらに増大していることを語った。
さらに、イスラエルとパレスチナの歴史的経緯に触れつつ、日本にもその責任の一端があると主張。岸田氏に対し、「歴史をしっかり直視し、その責任について思い巡らしてください」「パレスチナの過酷な歴史を省察してください」と求めた。
その上で、「深い共感の心をもって国際社会において日本国憲法第9条をもつ日本が果たすべき外交的責任を自覚され積極的に取り組まれますことを心から願う」と表明。「その意志を表明し具現するために、イスラエル政府に対して即時ガザ攻撃を中止し、外交協議による解決を訴える国会決議案を閣議で検討し、臨時国会に提出するように岸田首相が取り組まれますことを、心から要望する」とした。
金氏は11月16日にも岸田氏に対し、「イスラエル軍によるガザ破壊を止める外交努力を求める要望書」を送付している。